地域とともに歩むひょうごの企業トップページへ

兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

本文ここから

地域の為にテーマパークらしい社会貢献活動

阪神地域

企業名 株式会社ユー・エス・ジェイ
代表者名 代表取締役社長 グレン・ガンペル
設立 平成6年12月
資本金 371億円
社員数 800人
所在地 大阪府大阪市此花区桜島2丁目1番33号
主な事業活動 「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(R)」の運営
ホームページ ユー・エス・ジェイのホームページ
掲載日 平成23年8月18日

株式会社ユー・エス・ジェイ オペレーション本部 オペレーション企画室 課長 大館 伸行さん、広報室 社会貢献担当 春名 陽子さんにお話を伺いました。

社会貢献プロジェクト「USJドリームウィーバーズ」の成り立ちについて教えて下さい。

                                   インタビューの様子               

 「USJドリームウィーバーズ」は、弊社が一丸となって取り組んでいる社会貢献プロジェクトの名称です。
 以前は、ショーやパフォーマンスを行うエンターテイナーがボランティアで英会話教室を開催、オペレーション本部はお金を募って寄附をする等、各々の部署で社会貢献活動を行っていました。
 平成18年、ガンペル社長の強い希望もあり、パーク開業5周年を機に広報室に社会貢献担当を設置し、会社として社会貢献活動を強化することになり、立ち上げたのが社会貢献プロジェクト「USJドリームウィーバーズ」です。
 発足当時、社会貢献活動の対象として候補に挙がったのが、赤十字やユニセフ等海外での活動支援でした。当時、世間ではアピール度の高い海外に学校を造る等の活動が流行っていた時期でもありました。
 私達も同じように海外での支援活動を社長に提案しましたが、一言「NO!」と突き返されました。「自分たちの周りには誰か困っている人はいないのか?まずは、自分たちの身近な人を支援することが先ではないのか。」ということでした。地域には障がいを持った方々やホームレス状態の方がいる。それについてどう考えているのかと問われても答えることができませんでした。そこから、まず地域に特化し、社会貢献活動を開始しました。
 パークを運営する会社として、地域に何が出来るのか。何が求められているのか。
 障がいをお持ちの方やホームレス状態の方をサポートするにも、何が求められているのか分からない状態でした。そこで、ホームレス支援センターに聞き取り調査に出かけた結果、本当に必要なものはお正月だけの暖かい部屋でも、おにぎりなどの食べ物でもなく、自立するための仕事だということが分かりました。
 ちょうどその頃、弊社の技術部のOBが障がいのある方を支援するためのNPO法人を設立していました。そのNPO法人「フレンドシップ・アソシエーション」とタイアップし、パーク内で使用するベンチを塗りなおす仕事をホームレス支援センターや障がいのある方の授産施設に業務委託するシステムを作りました。ベンチはパーク内で使用するので、高いクオリティを保ってもらう必要があり、弊社からは技術指導を行い、今では弊社にとってなくてはならない業務委託先になりました。現在、発注先にも堺市の施設まで広がっています。弊社のホームページをみて、障がいのある方の授産施設に作業を依頼する企業も出てきたと聞いています。             ベンチの塗りなおし作業の様子             
 また、USJドリームウィーバーズでは、ボランティアイベントのたびに、社員へ参加を呼び掛けるメールを送信しています。社内メールを利用できないパートやアルバイトの方にも伝わるように、各職場に募集広告を貼りだして、情報発信を行っています。
 今回、東日本大震災支援ボランティア活動の参加者を募集する際にもUSJドリームウィーバーズのシステムが大いに役に立ちました。

他にも様々な活動を行っているようですが。

                         

 弊社では、取引先の協賛を得て、チャリティー・ディナーショーを開催し、集まったチャリティ資金全てを近隣地域で助けを必要とする人々のための支援に活用しています。平成20年から毎年開催しており、今年で4回目になりました。大変意義のある活動として毎年多くの取引企業からご賛同を頂いております。
 今年度は、1,500万円のチャリティ資金が集まり、そこから500万円を財団法人大阪府育英会の奨学金へ寄附、200万円を平成22年度末に設立された「こどもホスピスプロジェクト」のスタート資金として寄附、300万円を障がいのある方の活動支援のために車を寄附、残りの550万円は日本赤十字社を通じて東日本大震災被災者義援金として寄附しました。

新たに奨学金制度を作られたとか。

            奨学生募集パンフレット             

 弊社から大阪府育英会へ今年500万円、昨年1,200万円、一昨年1,100万円寄附してきましたが、以前から、給付型の奨学金が日本にもっと普及するべきだと考えておりましたので、この度大阪府育英会に給付型の『大阪府育英会USJ奨学金』を創設していただきました。
 6月の募集では71名の応募があり、先日選考がありました。5名の高校生に100万円ずつ給付することになりました。1人につき100万円は、大金すぎると思われるかもしれませんが、実際、教育にはとてもお金がかかるものであり、夢や希望を持ちながら経済的理由で大学進学をあきらめなくてはいけない子どもをバックアップするには、この位のお金は必要でしょう。今年、やっと実を結びました。大阪府育英会では、奨学金の名称に企業名が入ることによって、他の企業からの奨学金事業への参画を期待されています。

その他にも多くの活動を行われていますね。

            ワンダー・キッズ・プロジェクトの様子             

 「ワンダー・キッズ・プログラム」は児童福祉施設の子どもたちをパークに招待するだけでなく、フードサービス、大工仕事、ペインターなどパーク内の仕事を体験してもらい交流を図るイベントです。5人の児童に対して弊社のクルー2名、施設の指導員1名のグループで子どもたちをサポートしながらエスコートします。午前中に色々な仕事があることを見てもらい、午後もパークで一緒に楽しく遊ぶ。サポートとして参加している我々クルーにも気づきを沢山与えてくれます。子どもたちに「テーマパークの仕事」を身近に体験してもらい、少しでも将来に夢と希望を感じてもらえればと思っています。
 「コミュニティ・プログラム」では、パークに来たくても来ることができない子どもに、少しでもパークの雰囲気を楽しんでもらおうと、病院や施設をパフォーマーとキャラクターと共に訪問し、ショープログラムを行います。大阪府内はもちろん、兵庫県内でもしあわせの村や神戸市立友生養護学校等を訪問したことがあります。
 その他、パーク内のショップで「USJ Dream Weavers」ロゴの付いた商品を販売し、収益金は全額社会貢献に使っています。病院に車イスを寄附したり、福祉施設に地上デジタル放送対応テレビを寄附したりしました。

東日本大震災支援活動について教えて下さい。


                         

 3月11日の地震発生直後、社内ですぐに対策チームを立ち上げ、何かできることはないか、みんなで考えました。しかし、被災地はもちろん対応する行政も混乱を極めていました。
 まずは出来ることをしようと、被災地へ送る物資をかき集め、その物資を被災地へ送る手段を手分けして探しました。当社は、設立10年とできたばかりの会社ですので、社員それぞれに他業界で働いてきた時に培ったネットワークがありました。そのネットワークや知識を総動員して、ヘリをチャーターできるルートを確保し、3月18日岩手県災害対策本部まで使い捨てカイロ9,000個の救援物資を運ぶことができました。翌3月19日にはエアカーゴ便で使い捨てカイロ15,000個、サージカルマスク100,000枚を救援物資として空輸しました。その後、4月1日~8日には、大阪市に寄せられた救援物資に仕分け作業にも参加しました。
 全国でいち早く兵庫県社会福祉協議会がボランティアバス派遣に動き出し、3月下旬に第1回ボランティアバスの募集を始めた事を知り、弊社の防災担当者でもあるオペレーション企画室の社員が応募し、宮城県松島市のヨットハーバーや東松島市大曲赤井地区でのがれき撤去作業に参加させていただきました。
 その経験を活かし、弊社として4月と6月の2回、東松島市へUSJ災害復興支援ボランティア隊バスを派遣しました。
 弊社らしいエンターテインメントの提供も被災地で行っていて、5月末に東松島市内4か所の避難所と福島県立医科大学付属病院を訪問しました。また、東北より大阪に避難して来られた被災者の方々の交流会にもキャラクターやエンターテイナーを連れてお伺いしました。             

これから社会貢献に取り組もうとする企業への一言をお願いします。

           

 兵庫県内でも立派な社会貢献事業を行っておられる企業がありますし、私どもの活動もまだまだだと思っています。皆様がこれから一歩を踏み出そうとされているなら、当然のこととして、まずは業務内容や得意分野から役立てる何かを考えることが大切だと思います。他の企業がやっていることをそのまま同じようには出来ないでしょうし、社会貢献として何が出来るか、そしてまた対象となる方々、私どもの場合は地域の方々としましたが、そこで何が一番喜んでもらえるかをみんなでよくよく考えました。
 私自身も子どもの学費で苦労したこともありますので、他の企業さんでも是非給付型奨学金制度を作ることを検討してほしいなぁと思います。

本日はありがとうございました。

ページの最上部へ

トップページへ

メニューここから

県の支援・促進施策

お問い合わせ