活動の目的

 阪神・淡路大震災をきっかけに、樹木が防災面でも、また精神面でも大いに我々を救ってくれることを知りました。その街の緑の復興と新生に、子供からお年寄りまでの市民ひとりひとりが積極的に、しかも楽しみながら係われるシステムの提供として「ドングリ銀行神戸」を開設し、ドングリを拾って預けたり、苗木を育てたりして、新しい街の緑づくりに参加できるようにしました。この活動を通して、以下のようなことを目指しています。

* ドングリを集め、育て、再び植えることで「緑のリサイクル」を進める。
* 神戸を中心に、ひとりひとりが繋がりの感じられる「森づくり」を楽しみながら進める。
* 街の中に暮らす私たちと緑の今後の新しい共生の仕方を提案する。


特に、街の復興が着々と進められていく中で、今後の街づくりも見据えて、より広い地域の多くの人々との意見交換の場を作り、緑を介在した新しいコミュニケーションを創造していきたいと考えています。そして夢は、50年後、100年後の街に「みんなの手で街の中に森をつくろう」ということです。

活動内容

誰にでも街の緑化活動に参加できるシステムとして、「ドングリ銀行神戸」を発足させました。ドングリをお金に見立て、実際の銀行と同じように預けてもらい、苗木で払い戻します。参加方法は、「預ドングリ者」の他、「プラントマスター」として苗木を育て、提供する方法があります。また「団栗応援団」に入会して、財政支援という形で参加することもできます。『ドングリネット神戸』は、それらの人々を結ぶ役目をします。他にも「見つける・遊ぶ・食べる・育てる・植える」をキーワードに様々な展開をしています。

* 「預ドングリ窓口」・「苗木払い戻し窓口」の開設
(10〜12月事務局他、神戸・伊丹などで春・秋に臨時)

* ドングリ播種によるポット苗の育成リサイクルの確立
(スタッフおよびプラントマスターにより常時)

* 情報誌「ドングリタイムズ」の発行(年2〜3回発行。1500部発送)

* 「ドングリピクニック」「植樹ピクニック」「下草刈りピクニック」開催
(神戸市森林整備事務所との共催)

* 被災地内の公園・街路・土砂崩れ現場への植樹
(まちづくり協議会、六甲砂防工事事務所などとの協働)

* ビオトープ、自然公園づくり (環境市民大学課外講座など)

* 地元小学生との苗木育成(神戸市立本山第一小学校ほか)
環境教育に講師派遣

* ドングリを実験的に法面緑化に提供、活用

* ドングリ活性炭・ドングリ腐葉土の作成実験と再利用

* 「ドングリ育成クラブ」の運営

* 植樹イベントへの苗木・ノウハウ・人材提供 など


団体の沿革

1995年1月17日阪神・淡路大震災。同年3月25日 香川県林務が行っている「どんぐり銀行」の活動を知り、当時の松下芳樹氏とコンタクトをとる。5月15日 同活動母体の「どんぐりボランティアネットワーク」のシステム支援を受けつつ、独自に民間ボランティア組織『ドングリネット神戸』を設立し、震災被災地を中心に「ドングリ銀行神戸」の活動を開始する。同9月15日 財政支援組織として「団栗応援団」の会員募集を開始。その他各基金からの助成金などを活動資金とする。
阪神グリーンネット、ひょうごグリーンネット、神戸市森林整備事務所、国土交通省六甲砂防工事事務所とも協力関係。野田北部まちづくり協議会、深江地区まちづくり協議会にも苗木の提供やまちづくりなどへの提案を行う。1997年5月25日 事務局を神戸市長田区に移転。
おらが山での「ドングリピクニック」開催など、地元に密着した活動を展開中。現在、活動参加者は、約1400名(兵庫を中心に15府県)にのぼる。

団体概要

<代表者>
マスダマキコ(造形作家)
<組織構成>
『ドングリネット神戸』 運営スタッフ24名(全員が無給ボランティアで職業は教員・会社員・主婦・美術家・環境コンサルタント社員・苗木生産業者など)
参加者は以下の3通り
* 預ドングリ者:ドングリを集めて預け、払い戻しとして苗木を受け取る。(個人1145名。団体23名。)
* プラントマスター:払い戻し及び植樹のための苗木を育成、提供する。(個人23名。団体2名。)
* 団栗応援団:財政支援組織。(個人230名。団体8名。)
<連絡先>
事務局:〒653-0054 神戸市長田区長楽町2-2-15
TEL/FAX :078-739-2929
E-mail:d-n-kobe@cb3.so-net.or.jp

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