1 県民ボランタリー活動の促進のための施策の推進に関する基本的な事項 (1)基本方針の性格 (2)支援活動の範囲 @ 県民ボランタリー活動の広がりへの対応 A 行政、ボランタリーセクターが担うべき領域の整理 (3)基本的な考え方
@ 自発性・個別性などの尊重
A 行政、企業、ボランタリーセクターにおける各主体の協力関係のあり方
2 県民ボランタリー活動の機会の提供及び基盤の整備に関する事項 (1)機会の提供に関する事項
@ 気運の醸成 A 有益な情報の提供 B 多様なニーズに応じた講習会などの実施 C
交流の促進 D 学校等での体験機会の提供 (2)基盤の整備に関する事項
@ 調査、研究の推進 A 支援拠点の整備 B リーダーやコーディネーターの養成 C
実務のための支援 D 財政支援方法の検討 E 社会環境の整備 F
県民運動の一層の展開
A 行政、ボランタリーセクターが担うべき領域の整理
市民自律社会の実現に向けて、行政は、社会基盤の整備や基礎的なサービスの供給などの基本的な役割を担っていき、そのことにより、ボランタリーセクターの担うべき領域が広がっていくことが望まれる。
このため、行政及びボランタリーセクターが担うべき領域を明確に整理し、それぞれの機能が十分に発揮できる仕組みを構築する。これまで行政が過剰に関わってきた領域を、ボランタリーセクターに委ねる環境づくりが必要である。
A 行政、企業、ボランタリーセクターにおける各主体の協力関係のあり方
行政、企業、ボランタリーセクターのそれぞれが成熟社会の担い手として確立し、相互に自律した関係として協力していくことが大切である。そのことにより、県民に対する社会的なサービスが相互に補完しあったり、相乗的に拡大することが期待される。
県民ボランタリー活動の趣旨にのっとり、県民により身近な市町の役割の大切さを尊重しながら、一層の連携を進めるとともに、県独自の支援をも行う。
A
有益な情報の提供
県民ボランタリー活動に対する理解を深め、参加を促し、活動を促進させるためには、活動に関する多様な分野の情報を整理し、情報を求める県民や活動団体に必要な情報を提供することが必要である。特に、活動団体においては、運営に役立つ情報の提供を求めている。
このため、県民や活動団体の利便性に配慮しつつ、有益な情報として、「行政や財団等における助成金や補助金制度などの資金調達の情報」、「他の活動団体の情報」、「活動に必要とされる知識や技術を習得するための研修や講習会の人材育成の情報」などを提供する。
B 多様なニーズに応じた講習会などの実施
県民ボランタリー活動に必要な知識や技術は、参加者の年齢、経験、技術、能力などの状況によることから、各々の活動者の状況に応じた多種多様な学習機会を提供していくことが必要である。
このため、県や市町、社会福祉協議会、NPO等、学習機会を提供する機関相互の役割分担のもと、県民ボランタリー活動を行おうとする県民、或いは既に行っているNPO等の活動団体の構成員等に対して、活動者の目的や活動内容などに応じた多様な講習会などの学習機会を体系的に提供するとともに、学習機関相互の連携に努める。
C 交流の促進
県民ボランタリー活動を行おうとする県民に対し、参加の機会を提供するとともに、活動を行う者や団体相互の交流を促進していくことが重要である。また、行政、企業、活動団体相互の交流を図っていくことが必要である。
そのためにも、活動団体が、それぞれの分野において実施する交流イベントなどに対して、県として、必要に応じて後援などの支援を行っていくとともに、ネットワーク化の促進や情報発信できる機会を提供する。
D 学校等での体験機会の提供
県民ボランタリー活動は、社会の一員として、人を思いやる心、ともに生きる心、地域を愛する心を培い、人のために活動することや創造することの喜びを実感するなど、その豊かな人間性を育む学習的意義は重要である。
このため、学校等を通じ、青少年期から県民ボランタリー活動を理解し実践する機会を提供する。
A
支援拠点の整備
活動団体の立ち上げ期の支援及び自発的かつ自律的な活動を促進し、県民ボランタリー活動が地域に密着するような環境づくりが必要である。
このため、全県的な活動支援拠点として、県民ボランタリー活動支援センター(仮称)の整備を推進するとともに、市町等に対して、総合窓口の設置や公民館などの施設を各地域の活動拠点として活用するなどの環境整備を要請する。また、各地域・各分野別における施設などを活用した支援拠点のネットワーク化や事業の連携を推進する。
B リーダーやコーディネーターの養成
活動団体の活動を活性化していくためには、リーダーやコーディネーターの資質に負うところが大きい。
このため、交流会や研修などの場の提供を通じて、質の高いリーダーやコーディネーターを養成する。
C 実務のための支援
今後、活動団体が社会の中で一定の地位を占め、活動する過程において、法律、会計や税務などの諸問題が生じることが想定される。
このため、特定非営利活動法人の設立の認証相談、補助金や助成金に関する申請事務の相談のほか、特定非営利活動法人等に関する法律、会計や税務などの実務に対する個別相談や講習会などの支援体制を確立する。
D 財政支援方法の検討
活動団体等の自発性や自律性をふまえた財政支援の方法を検討する必要がある。特に、資金助成などの直接的な支援の場合、一時的に効果があったとしても、結果的には、その活動の自発性や自律性が損なわれることもある。
このため、財政支援の方法について検討する際には、活動団体等と行政との間の相互の自律した協力関係をふまえた協働を積極的に進めるとともに、事業委託や資金助成についての適切なあり方、活動資金の確保を容易にするための方法などを考慮していく必要がある。
E 社会環境の整備
県民ボランタリー活動に参加しやすく、気持ちよく活動ができるようにするため、家庭や社会での理解を深めたり、活動するうえで困難となっている社会環境を整備していくことが必要である。
このため、事業者等に対し、その事業活動が地域社会と密接な関係にあることの理解を促し、ボランティア休暇制度の導入、ボランティア保険の加入などによって、県民ボランタリー活動に取り組みやすい社会環境の整備に努めるよう協力を呼びかける。
F 県民運動の一層の展開
昭和62年以来、県民運動が県内各地域で繰り広げられてきており、この活動を通じて県民やボランティア団体の自発的で自律的な意識が育まれてきた。
このため、ボランタリーセクターの形成に向けて、さらに、主体的な県民参加を促すよう、県民運動を一層充実させて展開していく。