ボランティア活動支援センター(仮称)基本計画推進委員会第2回情報システム検討部会(議事要旨)

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※ 本議事要旨は事務局が作成したものに各委員が発言内容の確認を行ったうえ、委員の申し出に従い修正を行ったものです。

ボランティア活動支援センタ−(仮称)基本計画推進委員会第2回情報システム検討部会(議事要旨)



1 日 時 平成11年2月9日(火) 9:30〜11:30

2 場 所 県立神戸学習プラザ第2講義室

3 出席者
 【委員側】 井内部会長、実吉委員、立木委員、森委員
 【県 側】 高田生活文化部次長、藤原生活創造課長、大西生活創造副課長
4 議事
(1) 支援センターの情報ネットワークシステムについて
 ア 取り扱う情報の収集・発信手法
 イ システムの管理運営手法(管理、運営、倫理規程等)
 ウ プライバシー保護の考え方、方法
 エ 機関誌・相談コーナーでの情報提供等他の媒体を活用した情報発信
(2) 相談コーナーについて
 ア 相談体制の整備(分野、時間帯、専門家等)
 イ コンサルタント等派遣の仕組み
 ウ 相談における他の行政機関、NPO等他の団体との連携
(3) 情報教育について
 ア 研修内容、研修手法・頻度等
 イ 情報ボランティアの関わり方等
(4) その他

5 主な意見
○ 部会長:情報システム検討部会をはじめるにあたり、これまでの議論の結果を事務局から説明してほしい。
○ 事務局:(情報システムのあり方に関するこれまでの審議概要の説明)
【(1) 支援センターの情報ネットワークシステムについて】
○ 部会長:支援センターにおける情報ネットワークシステムについて、各々の項目は互いに関連しているのだが、議論の順番として、まず取り扱う情報の収集・発信手法について議論したい。
○ 委員:ボランティア・NPOに関連するネットワークシステムで、愛媛大学のアポロサーバーやNECのメシュネット(http://www1.meshnet.or.jp/)が無償でサーバーを使わせていた時期があったが、このようなものはいつまでも続かない。このため公益的な活動を行っている団体に対して、無償でサーバーの使用を認めてはどうか。ホームページやメールボックスも使えるとなると支援センターの売りになる。
○ 委員:プロバイダー契約とかホームページの掲載料についても、1年間だとかなりの金額になる。
○ 委員:神奈川県の県民活動サポートセンターでもメールボックスの提供はやっていない。メールボックスは管理が大変であるが、メールアドレスの後ろに支援センターの名前がついて(例 abc@hyogo-xx)メールが行き来するので、支援センターの広報戦略にもなる。
○ 事務局:それを行うにはどうすれば良いのか。
○ 部会長:サーバーとなるコンピューターの他に、日常的なメンテナンスが必要である。
○ 委員:システムを破壊しにくる人がいるので、継続的にメンテナンスをして、バージョンアップを図っていくことが必要である。
○ 部会長:メールアカウントの登録数が増えてはくるだろうが、情報ボランティアの協力を得られれば日常的な運用は可能ではないか。情報ボランティアに関しては、12月の全体会でも議論となったのだが、支援センターには情報システムを管理する専門家がおり、その業務の支援を情報ボランティアが担うということにすればよいのではないか。例えば、メールアドレスの登録申請があった場合、この登録を認めるかどうかは専門の担当者が行い、それを技術的に入力して相手に通知するというところは情報ボランティアが担うという形の役割分担ができるのではないか。メンテナンスも同様で、情報ボランティアの協力を得られれば可能だと思う。
○ 委員:情報ボランティアを希望する人はどれくらいいるのだろうか。
○ 部会長:別に支援センターに来て行わないといけないものでもなく、遠隔地からでも可能であり、全国規模でいるのではないか。
【(2) 支援センターにおける情報の収集・発信について】
○ 部会長:次に、支援センターが情報を収集して、自ら発信していくということはどうか。
○ 委員:NPOは忙しく活動しており、情報を提供してもらおうと待っていても集まらない。御用聞きみたいに支援センターの方からリサーチャーが巡回して、足で稼いでいうようなシステムにしないとだめである。ローテクというのは、まず足を運んで情報の仕込みをして、その情報を支援センターで発信すればよい。
 また、これはボランティアでもできるのだが、継続して確実にしていくのであれば有給のスタッフによるサービスが必要になる。支援センターが民営になるのであれば、この業務についてアウトソーシングして公開入札にすれば少ない負担で実現できる。
○ 委員:賛成である。
○ 委員:一方、この業務契約についてはNPOを支えることになる。地域のNPOの情報を定期的に送ってくるNPOに対し、必要経費を支払うようにする。
○ 委員:そうするとNPOの側でより良いサービスを提供しようという競争が起きてくる。
○ 委員:ボランティアのマネジメントを支援センターが行うと大変なので、ボランティアが集めた情報は地域のセンターで集約してから支援センターに提供してもらう契約内容にすれば良いのではないか。
○ 事務局:地域ごとに分割してアウトソーシングする場合、阪神間の地域ではある程度イメージがわくのだが、広い県域の中で他の地域でも可能であろうか。
○ 委員:既に地域毎に核となる団体が育っているし、その団体にとっても収入が入ってくることになる。巡回頻度は月に1回でも良いので、そういう形で生きた情報を集めることに意義がある。
○ 委員:丹波の森公苑では県民運動ノウハウ集をつくったが、これは助成金情報として役に立つ冊子だ。このようなものの地域版で作る場合に、委託費を出してはどうか。
○ 委員:基本的に委託にすると、継続的に事業実施するうちに競争がなくなってしまうので、印刷物と同様に契約として入札する方が良いのではないか。場合によっては営利企業が入って来ても良いが、コスト的にNPOの方が有利ではないか。
○ 委員:情報について考える場合、ただ情報が欲しいだけではなく、何故その情報が必要なのかという企画の部分が必要ではないか。どういう情報を集めて発信すれば、NPOの活動が活性化されるかというような企画部分について、支援センターがコーディネートするかNPOの企画提案をどんどん受けてはどうか。
○ 事務局:団体の方から情報を発信してニーズ情報とマッチングさせることを考えた場合、県域のセンターとしてどのような情報を取り扱ったら良いのだろうか。
○ 委員:この数カ月、神戸市内の活動団体の調査を実施してきたのだが、地域性の強い活動と地域を越えたテーマ性のある活動と二つにわかれるのではないか。西須磨や御蔵5丁目などでみられるエリア限定の活動の場合、参加するのは地域の人に限定されるのだが、環境とか情報など分野別の団体は周辺の地域の人たちだけではなく、少し離れた所からも人材を調達しないと活動が成立しない。団体によって重視するべき地域の範囲は大きく違う。
○ 委員:市レベルのNPOセンターでは、インターネットで情報発信をしているし、市内の団体についてはある程度把握しているので、県の支援センターに情報提供することは可能である。
○ 委員:インターネット上であれば瞬時にリンクすることができるので、既にインターネットを活用して情報発信しているところはリンクすれば良いし、これからやろうとしている市町センターに対してはホームページなどを支援センターが提供してやれば初期投資が少なくて済むので、参加しやすくなるのではないか。何度も言うが、メールボックスを提供すれば、本当に喜んでもらえると思う。
○ 委員;電話をしても普段なかなか捕まらない人がつかまるなど、電子メールの効果はかなり大きい。
○ 部会長:県域を対象とする支援センターとローカルなセンターとのすみわけを議論したのだが、情報ネットワークシステム同士を直接つないでいけば、数珠つなぎになるので、この点は心配いらないのではないか。むしろ、県の支援センターとして、各々の情報をサーベイする仕組みを作っておけば済む。
○ 委員:つまり、いくつかのホームページを登録しておいて、そこを勝手に巡回して情報が更新される仕組みを使えば良いということだ。
○ 部会長:例えば、県外からNPOセンターを検索しようとする人は、必ずしも順番に探してアクセスするのではなく、支援センターにアクセスすれば、県内のすべてのNPOセンターにつながるようにすれば良い。
○ 事務局:それが日々更新されていることが必要なのですね。
【(3) 情報ネットワークシステムにおける収益性の配慮】
○ 委員:この支援センターが官設民営でいくのであれば、情報ネットワークシステム上でバナーという形で企業から広告がとれる。企業にフィランソロピーという切り口でも良いし、広報戦略として位置づけてもらって、もよいというような呼びかけができないか。つまり、NPOという公共的なものに理解のある企業という位置づけをすることで企業も参加できるのではないか。いずれにせよ、民営であれば広告がとれる。
○ 部会長:よく似た例として、介護の関係の情報システムについても官が構築していることが多いが、これがもう少し民の側になっていくと、例えば介護製品やバリアフリー住宅をつくっている企業から広告がとれるということも考えられる。
○ 委員:方法としては広報的に1年間バナーを継続的に載せるものと、広告的にスポットで1週間や10日間だけ載せるというものと両方が考えられるのではないか。
○ 事務局:これについては生涯学習情報システムの時にも検討したのだが、参画団体、アクセス数などそれほど簡単にはいかないという結論であった。
○ 委員:会員が増えれば増えるほどメディアとしての価値が上がっていく。生涯学習の場合は県がやっているからではないか。まして、ボランティアの情報システムを行政が行うとは普通の人は思わないのではないか。
○ 事務局:生涯学習システムの時は、県がしているから参画するという企業もあった。
○ 委員:逆にそれが公設民営の良いところではないか。どうも収益のことをあまり考えないが、この支援センターの事業費を自分で賄わないといけないのであれば、こういうことも必要だ。
○ 部会長:広がりを期待するのであればメーリングリストの登録を受け付けるということもある。
○ 委員:まだNPOはメールの威力に気がついていないし、ホームページも思ったより簡単に作れる。
また、情報ボランティアの協力を得て行うものでも、情報リテラシーの部分は有償ですれば良いのではないか。サンフランシスコのNPOサポートセンターでも一番大きな収益を上げているのは、コンサルタントではなく、パソコン教室など情報リテラシーの部分である。だから、情報ボランティアの人たちは参加できる時間でやりたいことをやってもらえれば良いのであって、情報リテラシーについてもアウトソーシングしてNPOや企業のシステムエンジニア等とタイアップすれば良いのではないか。基本は、支援センターがマネジメントの労力と資材をできるだけ使わないで、この予算でここまでやってくださいという仕組みを公開入札でつくることだ。
【(4) 情報コーディネーターと情報ボランティアの各々の役割】
○ 部会長:システムの管理運営手法の話になっているが、これについては従来から専門職としてのコーディネーターがいて、実働部隊としての情報ボランティアがいるという整理をしてきたのだが。
○ 委員:やはり、それに加えて御用聞きをする人が必要である。そこに人件費をかけたら、必ず生きた情報が集まってくる。インターミディアリーな機能は基本的には御用聞きであり、地域を巡回してブローカー的に情報を集めてくることが大事である。例えば、新聞記者にしても記者クラブだけで仕事をするのではなく、地域の中で人間関係をつくって、対面的な関係から得た情報をもとに記事を書いている。このように継続的に対面的な関係をつくっていくことは、ローテクであるが非常に効果がある。
○ 事務局:県内にボランティア団体の数が数千団体あるが、このうちパソコンやインターネットを活用している団体はまだ少ないのではないか。情報ネットワークシステムや御用聞きにしても、阪神間ではある程度イメージできるのだが、全県域で考えた場合、紙媒体も併用する必要があると思うのだが。
○ 委員:その団体がどういう媒体を使う方が良いかを見極めるうえでも御用聞きの手続きが必要になってくる。
○ 委員:その上で、ブロック単位、例えば県民局単位で、それぞれの地域性を出しながらいろいろな媒体を併用すれば良いのではないか。
○ 事務局:生活復興支援施策として、地域で活動する人たちを地域スタッフとして任命している。また、県民局単位でも県民運動推進員を置いているので、組織的なつながりはできるのではないか。
○ 委員:フェニックス推進員とか既に事業として行っているものと一緒にしていけば良いのではないか。
○ 部会長:情報の収集の仕方としては、ハイテクをつかって時間、距離に無関係に収集するものと、チラシ等の紙媒体を使っているような団体に対しては、情報ボランティアと言うか、情報団のような人が媒介する形で情報を集めていくという二つの方法がいるのではないか。
○ 委員:情報団は、基本的に災害時に絡めての話であり、消防団と同じような組織だから、普段からドリルしておく必要がある。また、この業務を担ってもらえば契約として成り立つのではないか。
○ 部会長:全体会でも、このローテクの部分が落ちこぼれないようにということであったが、これはその人たちをサポートできるように、ハイテクでカバーできない部分を人間でカバーする仕組みをつくるということだろう。
○ 事務局:紙媒体の場合、例えば月1回発行する機関誌みたいなものになると思うが、そういうものへはどういう情報を載せることになるのか。
○ 部会長:各団体のチラシとチラシの内容を容易に検索できるキーワードなどを付加価値としてつけたような形で載せたらどうだろうか。載せた方の団体は、全国的にPRできるので、同じような活動を行っている団体との間で交流が生じるのではないか。
○ 事務局:紙媒体で情報を提供するとして、どのように配布すれば良いだろうか。
○ 委員:会員制にすれば良い。公がする場合は、あまねく配布する必要があるので公共施設等におくことになるのだが、民が行うものなので登録会員制にして、実費をもらって郵送なり家まで届けてもらうようにすればよいのではないか。情報会員、講読会員みたいなもの。
○ 部会長:コンピューターを使えば、必ずしもアウトプット先はディスプレイでなくても良い。fax番号を登録しておけば、そこに出力することも可能だ。
○ 委員:それにもバナー(広告)を入れればよい。
○ 事務局:紙媒体なら、何千部という単位の部数になれば広告もとれる。県民運動でもネットワークという雑誌を発行しているが、これには広告をとっているし、県の発行物でも広告をとれるものはとっている。
○ 部会長:運営費を賄う必要があるので、少なくとも登録会員制度ということで必要としている人に実費負担で送るということで良いのではないか。
○ 委員:会費制にすれば、不特定多数に送るのと違って、会報としてしっかり読んでもらえるし、手応えもある。
【(5) プライバシー保護の考え方、方法】
○ 部会長:プライバシー保護等の考え方についてはどうか。
○ 委員:倫理規程などはしっかりとしたものを作って、どんな情報を載せるか、載せる場合の申し込み方法、チェックの仕方など相手を傷つけずにプライバシーを保護するやり方というのは、ある程度他の事例も集積しているので、それらを参考にして倫理規程を設けてはどうか。
○ 部会長:議論としては一般的なものになるだろう。
○ 委員:倫理規程をホームページのどこかに掲載して周知しておく必要がある。
○ 部会長:それと、チェックするための組織が必要である。
○ 委員:電子掲示板みたいな書き込みをさせると勝手なことを書かれるので、基本的にホームページ単位での情報提供をしていけばよいのでは。その点、メーリングリストは怖い面もある。
○ 部会長:メールの場合は、個人対個人の問題であるが、それを仲介した支援センターの責任ということにもなるだろう。
○ 委員:いずれにしても、苦情が出て来た時点で対応できるような体制、利用を止めるとか、制限するとか、注意するとか、被害を受けたと申し出た人の利益保障をするような形がとれれば良いのではないか。
○ 部会長:事件への対応としては申告制になるだろう。一方、ホームページに関してはコンピューターへの登録の時に専門職、あるいは組織がチェックすることになるだろう。
○ 委員:営利企業がボランティアと称して無償の労働の募集をしてくるかもしれない。そういう場合、NPOも営利事業をするのでNPOとは何かということになるが、その辺の線引きが必要になってくるだろう。
○ 部会長:場面場面に応じたチェック体制について整理しておくことが必要だろう。また、県の組織として個人情報保護審査会があるが、支援センターとしてはそこまで大きくなくてもプライバシーやセキュリティを審査する体制が必要となるだろう。
○ 委員:NPOの中にはセキュリティを安易に考える団体があって、パスワードを更新していなかったりすると、すぐ悪いやつにのっとられてしまう。三国の重油災害の時には、JCのホームページが破壊されてしまった。だから、あまりサーバーを開放してしまわない方が良いかもしれない。逆に、バナー広告でメンテナンス費用を捻出して、メインテナンス業務をアウトソーシングすると、初期投資はサーバー費用だけで済む。
○ 部会長:少し脅かし過ぎた面もあるが、管理・監視と言っても毎日じっと見ていないといけないというのではなく、ホームページのパスワードの設定や管理をきちんとすることである程度防げる。
○ 委員:プライバシーの保護と同時に、NPOが情報開示を行うことも必要ではないか。例えば、財務諸表を提出させるとか、NPOの公開度が車の両輪になる。
○ 委員:それがランキングとかレーティングに結びついていく。
○ 委員:そのように公表しだすと、もう団体の活動に関してはプライバシーの対象ではなく、アカウンタビリティの対象になるという理屈を併せてつくっておく必要がある。
○ 委員:団体の実態からみると、いきなりアカウンタビリティを確保しろと言っても難しいところがたくさんある。段階的に活動報告、会計報告をやっているか否かなどから始めて、中身の判断、善し悪しの判断はそれを見た人が評価するという、ショーウインドーをつくるところから始めてはどうか。もちろん組織力を強化して、会計報告を社会にやっていけば資源を集め易くなるので、支援センターを通じてアカウンタビリティを高めていくという方向に持っていく必要がある。
○ 委員:やはり、NPOの市場が成り立っていくような格付け機関が必要だろう。これは公設民営ならではメリットである。市場をつくるというのでなくても、マーケット情報を提供することは必要ではないか。
【(6) 相談コーナーについて】
○ 部会長:次に、相談コーナーについて少し議論をしたい。 ○ 委員:これはフェニックスプラザでしている相談事業をそのまま引き継いでいくのではないのか。
○ 委員:市民活動広場でしているのもあるが、心の相談もあると思う。
○ 委員:心の相談の方はなかなか相談件数が上がらない。
○ 委員:市民活動広場も最初のうちは、法人格の取得に関する相談が多かったが、毎週火曜日午後のみで、担当者が毎回入れ替わるということもあって、相談件数は少しずつ減ってきている。阪神間の有名なリーダー層が担当しているのだが、相談体制について改めて考え直さないといけないと思っている。
○ 委員:NPOセンターでは常時相談員が待機していることもあり、月120件くらいの相談がある。
○ 委員:何曜日の○時から○時までという形では、どんなに優れた専門家が居ても、なかなか相談に来てくれないのが現状である。地域の中で八百屋さんや散髪屋、喫茶店のオーナーが果たしている役割である、いわゆるブローカーと一緒で、いつ行っても会えるということが大切である。
○ 委員:いつも相談を受付けているのだが、内容は特定非営利活動法人の法人格の取得とか、起業支援が多い。また、電話での相談もあるが突然来訪してくるケースがやはり多い。 ○ 委員:ボランティアの相談は、やはり近くで、誰でも立ち寄れるようなところでないと難しいのではないか。
○ 委員:また、相談を受ける人も、NPOのマネジメントからコンピュータのことまで何でもわかっているような何でも屋が求められる。これはお金をかけて専任でおかないといけない。
○ 委員:相談がいろんな情報の窓口になっていて、例えば、簿記の知識が足りないなと思ったら、5人ほど集めて、講師をボランティアでお願いして簿記講座を開くとか、相談がアンテナとなって次の事業につなげている。
○ 事務局:相談というくくりなのだが、検討資料では情報発信・収集事業と普及啓発事業の二つしかないが、相談も一つの項目としてあげることができるのではないかと思うが。
○ 委員:NPOセンターでは相談は一つの事業としてたてている。
○ 委員:相談は一人の専門家が支援センターにずっといれば、情報提供もいつでも併せてしてもらえるのではないか。
○ 事務局:もちろん、相談コーナーを設ければ、口コミでの情報提供や、普及啓発みたいな機能ももたせることもできるのではないか。
○ 委員:初めに相談があって、相談者にとって足りない情報を提供したり、それが講座になったりするのだが、最近一番多いのは起業相談である。起業相談の場合は、なぜか多くの人が元気がないので、元気づけることから始めている。このように、相談者との人間関係をつくる必要もあるので、情報だけで解決する問題ではない。
○ 事務局:ヒューマンな関係も求められるということか。
○ 委員:そういう意味では、情報のところでもコーディネーターが求められているが、相談には対面的なスキルも求められる。
○ 委員:コーディネーションとか、ネットワーキングのスキルを持っていないと相談には応じられない。
○ 部会長:相談を受けたときに、情報によって、どこにつないでいくか振り分けることができないといけないということだ。
○ 委員:基本的に分野別、時間帯別の専門家がいるやり方では上手くいかないということだ。やはり、一人の人がオールマイティでやってもらわないといけない。
○ 部会長:相談部門は、支援センターが外部と接触する一番大事なところなので、そういうところに適材適所で人材を配置していくことが必要だ。さらに、当たり前のことだが、情報ネットワークを上手く活用できれば良いのだろう。
 次に、コンサルタントの派遣の仕組みについてはどうだろうか。ここでは、情報リテラシーの教える側の人を含めて考えても良いのではないか。
○ 委員:どのような人をイメージしているのか見えてこない。
○ 事務局:中小企業診断員みたいなイメージではないか。県内はかなり広いので、例えば、但馬の方に出向いていくとか、地域間格差の均填化のためのアウトリーチをしていくという、遠隔地に対する派遣の仕組みが必要ではないだろうか。
○ 委員:そういうものは必要だろう。NPOセンタ−でも民間のコンサルタント会社の人が入っているのだが、そのほかにセンターの立ち上げ自体はNPOの立ち上げノウハウを持っている人にずっと見てもらっていた。大変な時にアドバイスしてくれる人がいてくれれば心強い。
○ 委員:しかし、派遣というのではなく、要するに窓口でプログラムオフィサーみたいな人がいて、NPOを立ち上げた経験等を踏まえて相談にものるし、時には出張して現場を見てアドバイスするという程度で良いのではないか。
○ 委員:サンフランシスコでは、民間のコンサルタント会社とNPOサポートセンターとが起業に関して競争している。この辺は、下手すると民間コンサルタント会社にとられてしまうかもしれない。今は、まだノウハウを培っている段階であろうが、介護保険がはじまったら本格的に進出してくるかもしれない。
○ 委員:先程まではコーディネーターと言っていたが、やはりプログラムオフィサーが必要だろう。識見があって、NPOの経験があるような方で、そういう方が派遣というか、出張できるような体制をつくれば良いのではないか。
○ 事務局:現場を見た方がわかりやすいということか。
○ 委員:現場を見ると、どれくらいマネジメントができているかがすぐにわかる。極端に言うと、電話一本でもわかってしまうこともある。だから、コンサルタント等の派遣と言うより、出張コンサルティングという考え方にすれば良いのではないか。
○ 事務局:相談の実費くらいは負担してもらえれば良いのではないか。
○ 委員:相談全体に関しても、全く無料でするのか、有料でするのか考えておいた方が良いのではないか。
○ 委員:お金を払うだけの価値があるものなら有料でもかまわないのでは。
○ 委員:お金を払っても相談する価値があるものにしないと、無料では何度でも利用するし、コスト意識もなくなってしまう。ある県のまちづくり関連のNPOで、相談に関して自信があるので、料金をとっているところがあり、10年以上事業をやってきているので定着してきている。やはり、長くやって相談を事業化していくことが大切だ。
○ 委員:現実には、相談料金を取るのは難しい。
○ 委員:相談であれ事業なので、コストもかかっているし、NPOはただだという感覚をそろそろ払拭していかないといけないのではないか。
○ 委員:有料でしているところは、弁護士が対応していることもあり、よく相談がきているそうだ。
○ 部会長:相談をしようとする側からすると、いきなり有料のところに相談に行くより、まず、それを振り分けしてくれる機能が必要ではないか。
○ 委員:窓口は無料で普通にやっておいて、専門的な部分は有料のところも含めて紹介してはどうか。
○ 委員:弁護士、税理士だから専門家であり、有償であるとは限らないのではないか。NPOのマネジメント自体、非常に専門性を必要とするものであり、それらの相談の希望に応じる人も専門家と言えるのではないか。
○ 委員:そうすると、有償コンサルティングということで良いのではないか。
○ 委員:民間が有料でやっているのに、行政の支援センターが無料でやり始めて、民業を圧迫するという例も出ている。 ○ 部会長:次の他の行政機関やNPOとの連携ということだが、これは当たり前のことではないか。
○ 委員:無料にすると民業を圧迫するという側面もあるし、有料にするのであれば、いろいろな専門分野があるので、それぞれの専門分野毎に他のNPO等を紹介していけばよいのではないか。そのためのネットワークも必要だ。
○ 部会長:そういうネットワークをつくる時に協定書というか、ある種の約束事が必要ではないか。
○ 委員:プログラムオフィサーみたいな人がネットワーク先をまわって対面的な人間関係をつくっていくことが必要だろう。また、NPO法人の申請にしても生活創造課でも相談を受けているので、NPOのための司法書士みたいな仕事が成り立つのではないか。
○ 委員:NPO法の申請に関しては、現に司法書士も乗り出している。
○ 委員;NPOがやっているので、営利でやっているところとより少し費用を安くして競争しても良いのではないか。
【(7) プログラムオフィサーについて】
○ 委員:そろそろコーディネーターなり、プログラムオフィサーとなる人を決めていく必要があるのではないか。一人か二人かは分からないが、老若男女でバランスをとって、その人の甲斐性で企画を考えてもらって、現場の団体や行政と相談しながら、事業をやっていく。誰か中心となって考える人が必要だ。
○ 委員:要になる人が必要だし、アウトソーシングと組み合わせていくことが必要ではないか。そうすれば、結構スリムな組織にすることができる。
○ 委員:具体的な人が決まれば、NPO側も事業の売り込みに行ける。そうすれば、NPO側も企画力を持たないといけないし、競争も起こって市場につながっていくのではないか。そのためにも顔の見える人がほしい。
○ 委員:間違っても行政のOBを持ってくるのはやめた方がよい。
○ 委員:関心をもっていれば、個人であれ、NPOであれ、企業であれ参加することができるという結果が示されるのであれば、多くのところが参加するだろうし、NPOの経営や支援センターの財源にも結びつくのではないか。
○ 委員:事業についても、こちらが何か考えるのではなく、NPOの方から企画提案を出してもらって、それがよければ事業として実施していくことにしてはどうか。
○ 委員:潜在的なネタはNPOの側にはいくらでもある。ただ、NPOの側には財源がないので、それを実施するための条件提示を支援センターからしてもらうことが必要ではないか。
○ 委員:プログラムオフィサーのもう一つの仕事は、行政に向けて、行政が今もっている事業を外部委託するようにアドボケートしていくことである。NPO側の利益を代表して、行政の持っている資源で外部委託できるものをどんどん外部委託事業として契約できるような仕組みをつくっていけば、そこに市場ができるのではないか。
○ 部会長:ある種の規制緩和となる。
○ 委員:それにはNPOの側ももっと頑張らないといけない。企業がやっているようなプロポーザルをNPOもしないといけないし、信頼性や継続性があることも提示していかないといけない。そのために、日頃からNPOがアクセスしていけるチャンネルにプログラムオフィサーがなれば良い。
○ 委員:その際、事業を受託するには民間であることがメリットなのだ。行政の組織であれば、そんなことはできない。
○ 事務局:そのための実例を積み上げていってほしい。
○ 委員:大きな方向性としては外部委託する方向に進んでいるので、NPOが先駆的にやることで、失敗してもそこから貴重な教訓を得ることができる。
○ 委員:NPOセンターも認知を得られてくると、行政の方もNPOセンターに任せてみようかという雰囲気がでてきている。
○ 委員:そのNPOセンターがうまくいっているのも、やはり人ではないか。客観的に見ても信頼できる人がきちんとプログラムオフィサーでいるからだ。
【(8) 情報リテラシーの向上について】
○ 部会長:NPOの情報リテラシーの向上にあたって、どのような研修内容・方法等をとればよいのだろうか。また、情報ボランティアとのかかわりはどうすれば良いだろう。
○ 委員:これもNPOから一番ニーズのあることについて企画を出してもらって外部委託すれば良いのではないか。支援センターは施主として、スポンサー又は有料でも良いのだが、それとNPOをつないでいく役をすればよい。
○ 委員:頻度についても、儲かればたくさんすれば良いし、儲からなければ少なくすればよい。
○ 委員:収益を考えるべきだろう。また、NPOの持ち込み企画に対して場所を貸しても良い。しかし、その時にも、社会教育施設なみの低い料金にしないといけないのではないか。
○ 部会長:運営管理のところでも議論になっていたが、例えば9時から5時までしか開いていないというのであれば困るのではないか。
○ 委員:それは当然のことだ。
○ 部会長:情報ボランティアの関わり方について、情報ボランティアを育てるセンターでもあるべきで、情報ボランティアが活躍するだけではなく、育っていくための研修も必要ではないか。
○ 委員:ボランティアが事業などに参加するという側面だけではなく、企画して実施する主体としても位置づけて、いろんな形でNPOに開いていってはどうか。
【(9) その他検討資料の内容の検討】
○ 事務局:検討資料の中に、マルチメディアライブラリーというのがあるのだが、これについてどのような機器で、どのようなものを見せると想定されるか。また、普及啓発ビデオの作成のところにしても、NPOの人がビデオ編集する工房のイメージかなとも思うが。
○ 委員:普及啓発ビデオというのは、ボランティアの宣伝ビデオをつくるのかと思ったが、必要だろうか。
○ 事務局:ホームページの作成ができるとか工房的な意味ではないか。
○ 委員:インターネットがだんだんリアルビデオも載せれるようになって、インターネットそのものがマルチメディア化しているので、機器まで整備する必要ないのではないか。機器は6ケ月単位で更新されるので、古くなるだけであり、入れるべきではない。最低限の機器を入れるにしても、絶対更新していくことが必要だ。
○ 事務局:よくボランティアセンターに印刷機や紙折り機を置いた工房のようなものがあるが、情報の面でもそのようなものが必要ではないか。
○ 委員:工房になると24時間使えないと実質的に意味がない。9時に終わってしまったのでは誰も使わない。
○ 部会長:前回の部会でも小さな団体がチラシをつくるのに紙代だけで印刷できるところがあれば良いという意見があったが、そういうものではなかったか。
○ 事務局:フェニックスプラザの生活復興NPO情報プラザの印刷機などはよく使われている。
○ 委員:工房的なものが県域で1ケ所というのは、どれだけ必要なのだろうか。
○ 委員:いずれにしてもホームページ作成用の機材などそれなりのものは必要だろう。
○ 委員:普及啓発用ビデオにしても、特定の団体を宣伝することはできないが、本当は固有名詞があるからおもしろいのではないか。
○ 委員:そもそもの議論は、ケーブルテレビに番組を提供していこうということだったと思う。しかし、それだと機材や人件費などものすごい経費がかかることになる。
○ 委員:印刷機とかホームページ作成のための機材と割り切ってしまう方がイメージしやすい。
○ 部会長:スキャナーなどたまにしか使わないハードをNPOが持っていても仕方ないので、そういうものが使えるように貸し出すことにしてはどうか。
○ 事務局:情報ネットワークシステムのイメージ図はこれで良いだろうか。
○ 委員:この図の中に情報ボランティアやプログラムオフィサーなど人間が見える形で表示すれば良いのではないか。人が命であるということで、人的資源を中心としていけば良いのではないか。
○ 事務局:NPOに対する顕彰ということはどうだろうか。
○ 委員:キャンペーンみたいなものは必要だろう。セクターとしての認知度を高めていくことが必要なので、アワードが良いかどうかは別にしてキャンペーンは必要だろう。
○ 委員:NPOセンターを継続して支援してきた方に感謝の気持ちを込めて表彰しようと思っている。
○ 委員:顕彰には二つあって、感謝の気持ちを表すリコグニションと、優れたものを讃えるアワードがあるが、どちらも必要だろう。
○ 事務局:大阪のNPOアワードは、資金交流広場のマッチングと同じようなものか。
○ 委員:大阪のものは公開で、それぞれの団体の活動紹介に対して賞を与えて、自由に使える賞金を与えるものだから、マッチングしようというものとは違う。
○ 委員:ただ、これをするにしても行政に反対する活動をする団体を排除したりすると、急速に信頼を失うので気をつけることが必要ではないか。
○ 委員:ボランティアについて、支援センターの事業に参加してもらうとともに、育てていくことが必要ではないか。表現の問題と言うよりも、考え方の問題としてNPOと共通の財産を一緒につくるんだという参加意識が生まれるような事業展開をしないといけないのではないか。
○ 部会長:それでは、これで部会を終わりたい。
(以上)



 
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