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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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あれから40年「地域に根ざす住まいのインストラクター」
~木に触れ、木に親しみ、木を学ぶことで、心豊かな子どもを育む活動~

東播磨       

事業者名 株式会社やすむら
代表者名 代表取締役 安村 浩一
設立 平成元年3月
資本金  1,000万円
 社員数 5名
所在地 兵庫県加古川市野口町野口795-11
主な事業活動 建築工事業、土木工事業・木工家具製作
ホームページ http://www.kk-yasumura.com/
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掲載日 平成26年10月30日
(更新日:平成29年2月6日)

株式会社やすむら 代表取締役社長 安村 義光 さん にお話を伺いました。

地域活動のきっかけについてお聞かせください

                                                 

  島根県に生まれ育ち、建設業として加古川の地で創業しました。
 今年、創業40周年を迎えられるのも、地域の皆様に支えられ、育てて頂いたおかげだと思っています。
 地域に恩返しをしたいという思いと、地域に根ざし続けるためには、地域を良くする為の取り組みを自分たちがやっていくことが必要と考え、いろいろなことに取り組んでいます。

 

活動のひとつである「木育」について教えてください

 「木育」というのは、実は平成18年に閣議決定された「森林・林業基本計画」の中に出てくる言葉です。政府の最高意思決定手法である閣議決定であるにもかかわらず、なかなか社会に浸透していないのが現状です。「森林」のこと、「環境」のことを我々建設業界の者のみならず、一般市民や次世代を担う子どもたちに伝え、「木育」という耳慣れない言葉を広めていくために、2年前から学校に出向いて「木育講座」を始めました。
 私自身が二宮金次郎に扮して登場すると、大変盛り上がります。
 なぜ、「二宮金次郎」なのかと言えば、一般的には農業の人のイメージですが、報徳の精神の人でもありますし、あまり知られていませんが、森林に関しても40年50年先を見据えた取り組みをされた方だからです。また、私は仲間をあつめて「もりの木ネットワーク」という協同組合を作りましたが、日本で最初に「組合制度」始めた人でもあります。なにより、子どもたちのウケがよく、講座への興味につながっています。
 衣装はすべて手作りです。わらじは近所の年寄りが作ってくれました。ズボンは空手の胴衣をいただきましたが、「白ではなぁ。」ということで、紅茶で染めてもらいました。法被は農協からいただいたものに継ぎをあて、ちょんまげも用意しました。社員をはじめ地域の方々の協力でつくりあげています。
 「木育講座」として、山のはなし、木のはなし、使い方などを20分ほどして、県産木材を利用した「木工教室」で技術指導をします。本立て、ティッシュカバー、コースター、MYはしなどを作ってもらってます。MYはしはかんなで4面をペーパー状に削ってつくるのですが、かんなを使ったことのないお子さんでも、目を輝かせて器用に作ります。ペーパー状に削るための台も私の手作りです。
 このような「木育講座」と「木工教室」を小学校、中学校に出向いて行って、児童や保護者、先生を対象に行うことで、子どもたちの木材に対する親しみや木の文化への理解を深めています。木に触れ、木に親しみ、木を学ぶことで、我が国の文化への理解を深め、また自然環境について考えることの大切さを知る機会をつくることで、心豊かな人間形成に寄与できていると考えます。

「協同組合もりの木ネットワーク」とは

 一人では出来ないことも、仲間となら出来るとの思いで立ち上げた組合で、今年で設立10年目を迎えます。現在は地域建設関係の28社が構成メンバーです。
 地域における中小企業の環境が悪化している中、建設業の者が、「地域の仕事は地域の業者で」をスローガンに、地域資源の有効活用による循環型地域社会の構築を目指しています。また、日本古来の職人文化を守り伝えるために、職人の資質向上、レベルアップにも取り組んでいます。
 さらに、地域貢献の取り組みである「木育」についても、その重要性を仲間と共有し、このメンバーと共に、兵庫県では、この加古川下流地域から活動範囲を拡げていこうとしているところです

学校に行かれるようになったきっかけはなんですか

 我が子の子育て中には、PTA活動に参加していました。当時のPTA活動を通じてできた人間関係を活かしたいと、OBが集まって「みなの会」をつくりました。
 「みなの会」では、子どもたちを心豊かな社会人に育てるには、まず、親や周囲の大人が変わらなくてはいけないとの思いから、幼少時期のお子さんを持つ保護者を対象に、人に対するやさしさや、道徳心の大切さ伝えています。普段、相談できる人のいない若い保護者からは、みなの会での意見交換の場で悩みが解消したと好評です。
 この活動もあって、教育関係者との関係が築け、「木育」を学校で広めることにつながっています。

なぜ国産材(県産材)を使われるのですか

 地球温暖化に対する取組みが世界中で強化され、京都議定書での日本のCO2の削減目標は6%です。これを達成するためには、排気ガスの規制等では追いつかず、山を活性化することが大きな課題となります。
 日本は、戦後復興のために森林を伐採し、植林しましたが、50年以上経過した現在、手入れも間伐も行われず、荒廃していっています。この植林された木は自然の木と違い、根を十分はらないため、土砂崩れなどの自然災害の原因にもなりかねません。伐採時期が来ている木を伐採し、また植林し、山を活性化させることが、今求められています。
 この伐採木材は、輸入材ほど大きくないので、いいところだけ使うということができず、そり、割れる、縮む等扱いにくいという問題があり、一般の業者はいやがりますが、地元の木材を利用することによって、森林の復活と地元の工務店、地域の活性化をめざしています。

今後の抱負、活動の展開をお聞かせください

  「木育」を採用される学校を増やしていき、いずれは、「木育」の出前講座に使用する学習教材の加工・梱包などの業務を、地元の高齢者や障がい者の施設にお願いしたいと考えているところです。
 実現すれば、地域雇用の促進につながりますし、子どもたちも地産地消の物づくりがより身近になります。こういった形で地域活動の輪をひろげていきたいと考えています。

本日はありがとうございました。

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