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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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開かれた企業づくりを通じて社会貢献活動

西播磨地域

企業名 赤穂化成株式会社
代表者名 代表取締役社長 池上 良成
設立 昭和46年11月25日
資本金 3,000万円
社員数 220人
所在地 兵庫県赤穂市坂越329番地
主な事業活動 化成品、食品、健康食品、調味料の製造・販売業
ホームページ 赤穂化成株式会社のホームページ
掲載日 平成22年12月8日

赤穂化成株式会社 総務本部 総務部 部長 上田 秀樹さんにお話を伺いました。

社会貢献活動を始めたきっかけは何ですか?

                                   インタビューの様子                

 赤穂の地は古来、製塩やにがり工業が盛んで、その流れをくむ会社が数多くあります。当社もその一つで食塩やにがりを中心とした無機ミネラルの総合メーカーです。
 特に、全国的に注目を集めている海洋深層水を使った健康飲料を中心に、にがり・豆乳など新しいジャンルの商品を開発してきました。海洋深層水にはマグネシウムなどさまざまなミネラルが含まれ、血液をサラサラにするなどの効用があることが解ったのですが、医薬品ではないため、その効能を広告することはできません。そのため、商品の効用は、長年の研究成果として科学的な根拠を学会などで発表し、消費者に間接的に訴える努力を続けてきました。
 近年さらに、商品の良さを直接、消費者の方に見てもらい、見学者とそこで働く人の交流の機会を設けようと積極的に工場見学の受け入れを始めたことがきっかけで社会貢献活動に取り組むこととなりました。現在では、年間500人程度、地域の小学校から高齢者大学の方をはじめ様々な方に来て頂いています。       

工場見学の内容について教えて下さい。

            海水濃縮体験中             

 工場の見学ルートには塩の包装の過程を見てもらうのと同時に、製塩法の移り変わりや当社の製品である赤穂の天塩ができるまでの工程をパネル展示し、塩について深く知ってもらう機会を設けています。
 また、工場見学には塩をテーマに楽しく学習してもらうための体験メニューを用意しています。
 例えば、海水濃縮体験では、塩とにがりをつくり、塩は氷に入れ凝固点降下を利用したシャーベットづくりに、にがりは豆腐作り体験に活用します。体験メニューの講師は当社の社員が担当し、シャーベットづくりは開発部、豆腐作りは営業部主導で行います。 営業部の社員は、にがりの営業の際に豆腐作りを実演することが多く、まろやかで美味しい豆腐を作るコツを知っているなど、豆腐作りに長けています。このように、社員それぞれが得意分野を活かして、地域に貢献する活動を行っています。

地域の方とも様々な事業を行っているようですが。

     

 坂越地区でお祭りやイベントがある際には様々な協力要請を頂きます。イベントへの出店、展示などはもちろんのこと、ゲートボール大会の会場に撒く防塵剤として当社のにがりを提供するなどして、出来る部分で最大限お手伝いをしています。
 また、坂越の町を盛り上げるために、坂越名産の牡蠣を使用した醤(ひしお)の開発や、ネギの成長過程で当社の塩のミネラルを吸収させた赤穂塩ネギの開発のお手伝いもさせて頂きました。
 当社の従業員の8割は赤穂の人間なので、当社の活動が口コミや繋がりから地元の方々へと浸透し、様々なご提案を頂きます。また、『来た話は断らずにまずは聞いてみる』という当社の姿勢も多くの協働を実現させた要因になっていると思います。

ロビーに展示していた『雨水タンク たかつき天水くん』について教えて下さい。


            雨水タンク  たかつき天水くん                          

 当社は原料塩をオーストラリアから輸入しています。その際、にがりを入れて運ぶのに樹脂ドラム缶を使用しています。この樹脂ドラム缶は役目を終えると廃棄処分されており、もったいないと感じていたところに、当社の社長の知り合いを通じて大阪府のたかつき環境市民会議の方から、使用済みのドラム缶を提供してほしいとの要請を受けました。
 提供したドラム缶は希望家庭に配布され、雨水の貯蔵タンクとして生まれ変わります。溜まった雨水は庭の水撒きからトイレの流水まで多岐に利用され、節水に役立っているようです。現在までに180本のドラム缶を提供しました。平成23年2月頃にさらに60本送る予定になっています。将来この雨水タンクが普及することで、集中豪雨の際、雨水が下水や排水溝に急激に流れ込むのを防ぐことが出来、豪雨災害の対策にもつながるのではないかと期待しています。

今後の取り組みについてお聞かせ下さい。


工場見学の様子

 工場見学を始めて2年になりますが、以前、見学に視覚障害者の方も来て頂きました。その時、補助犬を連れて来られたのですが、一部の見学ルートに階段があったため,ご不便をおかけしたと感じています。そのとき天塩を使った味噌づくり体験も楽しんでいただきましたが、見学ルートに配慮が足りなかったことに気づき、今後は改善していきたいと思っています。
 また、工場見学の評判が口コミで広がり大手旅行会社から、観光コースに組み込みたいという話も頂いています。現在、工場見学は、社員が本業以外の部分で対応しているので、受け入れの数にも限界がありますが、将来的には担当部署を設け、受け入れ件数を増やしていきたいと思っています。                          

これから社会貢献活動に取り組もうとする企業への一言をお願いします。


           

 工場見学を受け入れたり、地域と協働して活動を行うことで、オープンな企業にしていくことは、企業の利害関係者にとっても、企業自身にとってもよいことではないでしょうか。規模の大小にかかわらず、まじめに取り組んでいる姿を見てもらえる機会はとても貴重だと思います。思い切ってまずはやってみる事が大事だと思います。そして、やっていくうちに足りないものに気付き、より良いものへと変化していくと私たちは考えております。 

本日はありがとうございました。

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