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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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環境関連の製品開発・販売等を通じた社会貢献活動

淡路

企業名 株式会社 薫寿堂
代表者名 代表取締役会長 福永 稔
設立 昭和23年10月5日
出資金 28百万円 (平成21年3月31日現在)
社員数 103人 (平成21年3月31日現在)
所在地 兵庫県淡路市多賀1255-1
主な事業活動 お香・お線香製造販売
ホームページ ㈱薫寿堂のホームページ
掲載日 平成22年1月21日
(更新日:平成29年2月2日)

株式会社薫寿堂
 代表取締役会長 福永稔さん
 研究開発課長 積田正浩さん  にお話を伺いました。

工場の前に何台ものマイクロバスが止まっていましたが。

                                       工場見学の様子                

 工場見学に来られている方々の乗ってこられたバスです。

 平成7年の阪神・淡路大震災で淡路市の本社工場の一部が壊れました。平成10年に本社工場の一部を新築しましたが、その際、一人でも多くの人に淡路で線香を作っていることを発信したいとの思いを持ったことがきっかけで工場見学の受入を始めました。

            

 そこで、地元の子どもたちや淡路島を訪れる観光客の方々に工場見学をしていただきやすいようバリアフリーにしました。また、工場見学の後、お香作りの体験をすることができるよう、一度に160名の方が入っていただける部屋も整備しました。

            お香作り体験の様子             

 今では、自治会、老人会、PTAなどのグループを中心に年間約6万人の方が見学や線香づくり体験に来られますし、旧一宮町の小学3年生の社会見学も受け入れています。子どもたちに地元でこのような製品が作られていることを知ってもらい、線香作り体験を一生忘れない思い出にして欲しいと考えています。

            

社員の方々の反応はいかがですか?

 社員がお客様の生の声を直接聞けるいい機会になっています。お客様の商品に対するご意見やご感想を、新たな商品開発に役立てることができます。

工場内はピカピカに磨き上げられていますね。

     

インタビュー風景

 当社の経営方針は、「お客さま第一主義に徹します。」と「環境整備を徹底します。」のふたつです。

 線香は仏壇で、お香は若い女性のお部屋や寝室で使っていただく商品だからこそ、清潔感のある職場づくりは事業の根底となる非常に重要なことです。ピカピカに磨き上げた工場で作ったものをお届けしたいという一念で、15年前から本社・五色工場では毎朝1時間、神戸市灘区の営業本部では30分間の環境整備を行っています。その際には、それぞれの敷地に面している道路の清掃も行うようにしています。

エコ線香を開発されたきっかけは?


 エコ線香は当社が平成19年に開発した線香で、未利用のヒノキの間伐材や竹を原料に使用した線香です。

            

 きっかけは、木材リサイクルに取り組む加東市の材木屋さんからの提案でした。未利用材と呼ばれるヒノキの端材や河川敷に群生している竹を粉末にする機械を開発したので、線香に使えないかとの話を持ちかけられました。

多くの線香の主原料は鹿児島県や宮崎県に多く群生している椨(タブ)の木の樹皮で、皮以外は紙の原料となり、国内では伐採が進み減少傾向にあります。

            

利用用途のない木材の粉末を線香の原料とすることで、椨の木の使用を減らすことが可能になり、少しでも森林保護につなげようと、開発を始めました。

エコマークを取得していますね。


 椨の木は、線香の粘着・増量材として優れていますが、その特徴を代替原料で出す必要があったため、3年間試行錯誤を繰り返してようやくエコ線香が完成しました。エコ線香は、煙も灰も少ないため、使用環境にもやさしいお線香になりました。

            

 このエコ線香でエコマークを取得しようと、財団法人 日本環境協会へ申請しましたが、当時はまだ線香に関する認定基準がありませんでした。そこで、当社からも提案しながら認定基準を作っていき、線香業界初のエコマーク認定商品に認定されました。

            

 商品を包むパッケージも古紙90%以上の再生紙を使うなど、森林の産物を使わせていただいているものとして、少しでも森林保護につながることはしていきたいと思っています。

                         

売り上げ金の一部を寄付されているそうですね。


エコ線香の原料となる竹

           

 エコ線香の売上金の一部をNPO法人瀬戸内オリーブ基金に寄付しています。

            

 当社のある旧一宮町内の江井港は、天然の良港であり、江戸時代にはここ淡路島で収穫されたお米の大半が集まり、江井港より四国徳島阿波藩の大阪下屋敷に運んでいました。明治時代に入ってからも淡路島は廻船業で賑わっていましたが、薫寿堂の創業者の福永平一郎も廻船業を営むかたわら、線香づくりに着手しました。ですから私たちの先祖は、瀬戸内海を往来していたのです。

            

 そこで、瀬戸内海の島々や沿岸で自然保護活動や植樹活動をしている(特)瀬戸内オリーブ基金の趣旨に賛同し、協賛会員として財政面の支援を始めました。

                          

玉葱の皮を利用した新しい商品も開発中とか。

            

 淡路島の特産といえば玉葱が有名ですが、玉葱の皮は利用法がなく捨てられています。JAあわじ島から、廃棄物となる玉葱の皮を線香の材料にできないかと持ちかけられ、現在、商品化できないか研究中です。

商品化に成功すれば、大量に捨てられている玉葱の皮を有効に活用でき、結果として、廃棄物の減量など環境対策にもつながるのではと考えています。

            

これから社会貢献活動に取り組もうとする企業への一言をお願いします。

            

 当社はサービス業に立脚した製造業でいこう、という考えのもと、お客様を意識した商品作りやサービスを提供することを心がけており、工場見学やエコ線香など社会貢献できる製品づくりに努めています。

 地域貢献は続けることによって、多くの人々に理解してもらえる活動です。ですから、続けることが大切だと思います。

 そして、本業を通じて、できるものから始めてはどうでしょうか。



本日はありがとうございました。

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