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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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「食」を通した社会貢献で子どもたちの笑顔をはぐくむ

東播磨地域

企業名 ㈱明石菊水
代表者名 取締役会長 楠 秀雄
設立 創業 昭和25年5月
資本金 2,000万円(平成20年9月現在)
社員数 51名(平成20年9月現在)
所在地 兵庫県明石市桜町12-22
主な事業活動
  • 飲食業(寿司店)
ホームページ
掲載日 平成20年9月30日

(株)明石菊水の取締役会長 楠秀雄さんと妻の茄須美さんに兵庫県立神出学園(不登校児支援施設)でお話を伺いました。

創業58年の老舗寿司店でいらっしゃいますが、神出学園を定期的に訪問されるようになったきっかけは何でしょうか。

 先代の時から明石にある 木の根学園(知的障害者通所施設)にお寿司を提供していました。神出学園については、たまたま知人と話す中で、神出に不登校の子どもたちのための学校があると聞いたことから、自分の出身地ということもあり、3年前からご縁ができ、職人が食材と器を携えて出向き、子どもたちの前でお寿司をにぎります。
 明石は酢飯に適した播州米が採れますし、寿司のネタとなる新鮮な魚貝が明石港から上がります。寿司店で、よく「明石のたこ」「明石の鯛」と言われますが一口食べればその違いがわかります。子どもたちに職人の技を見てもらい、本物を味わってもらって、楽しい時間を過ごしてもらえたらと思っています。自分の生い立ちやお寿司に関することを話させてもらうこともあります。

阪神・淡路大震災のときも活動をされましたね。

 震災のときは私たちも何か自分たちにできることはないかと思いました。やはりお寿司を食べていただこうということで、避難所に届けることも考えましたが、もし行き渡らないとトラブルになりますし、それなら、県民のために頑張ってくださっている警察の方にお寿司を食べて元気になっていただこうと、近隣の明石警察署にお寿司100食を10日ほど届けさせていただきました。

活動を通して、今の子どもたちに伝えたいことは。

 寿司職人の修行をさせてほしいと、子どもさんをお預かりしていますが、厳しい世界ですから週末に実家に戻って、それっきり帰ってこない子どももたくさんいます。逃げ場があるから、甘えてしまうんですね。私たちの頃は逃げ場はありませんでした。私が27歳で職人として修行の道に入った時、周りは自分よりも若い者ばかりでしたが、やるしかありませんでした。誰よりも早く一人前になるという気概をもって励みました。ですから、子どもたちにも「目標をもってやれば、必ずできる」と自分の経験を通して伝えたいという強い思いがあります。人も「のれん」も同じです。磨かないと光りません。磨いてこそ「金」になるのです。そして、見守り、応援してくれる人たちが周りにいることに気づいてほしいと思っています。

(茄須美さん)
 今の子どもたちはコミュニケーションが苦手なように思います。あいさつをしないし、お礼もきちんと言えませんね。
 最近はスーパーで買い物をする人が大半ですが、年中同じ物が並んでいていつが旬のものかわかりません。私はいつも市場で買い物をします。その季節ならではの新鮮なものが手に入り、何がいつ入荷するのか、料理の仕方も教えてもらえます。そこには対話がありますね。昔はちゃぶ台を囲んで家族でごはんを食べ、その日あったことをみんなで話したものです。まず、朝のあいさつ「おはよう」は一日の始まり、すべての基本です。そして「ありがとう」は感謝の気持ち。一日の終わりに私はこの言葉を口にします。自然と口をついて出るものです。それをおろそかにしてはいけません。            

鮨組合としても施設訪問に取り組んでいらっしゃるそうですね。

 約20年前に「兵庫県鮨商生活衛生同業組合(以下、組合)」ができました。その数年後、定休日が火曜日だった二人の経営者が、同じようにお寿司を提供する施設訪問を始めました。それが「火曜会」(楠さんは副会長)の起こりです。次第に他の組合員の間に広まり、店に来られるお客さんのなかで「そういうことならぜひ資金援助をさせてほしい」とおっしゃってくださる方も出てきました。訪問する施設も芦屋、三木、神戸と増えています。年に1回総会を開いて会員の方々に活動のご報告をしていますが、同じ思いを持つ人の輪が広がっていくのは嬉しいことです。

太陽光パネルも寄贈されたと聞いています。

 神出学園では昨年からビオトープに取り組んでおられて、その取り組みの中で発電システムに太陽光パネルを取り入れたいと考えていると校長先生から伺いました。子どもたちもとても張り切っているとのことでしたし、お役に立てればと思い、贈らせていただくことにしました。他にも関西電力の「関西グリーン電力基金」の助成も受けることになったそうですし、実践の方法についてはNPO法人ワット神戸さんがご指導くださっています。このようにたくさんの人たちが子どもたちとともに、この取り組みに関わっていくのはすばらしいことだと思っています。

今から「社会貢献活動」に取り組もうとされている企業への一言をお願いします。

 どんなことからでも始められると思います。やり方がわからないからできないということもないと思います。要は「やる」という意志です。業種も職種も関係ありません。身近な人に対してその思いを伝えて踏み出せばそこから開けるのではないでしょうか。自分が心身ともに良い状態にあって、何か人様のためにお役に立ちたいという気持ちがあれば誰にでもできることだと思います。

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