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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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社会の中の知識集団として、大学における社会貢献

神戸地域

事業者名 神戸松蔭女子学院大学
代表者名 学長 郡司 隆男
設立 昭和41年
資本金  - 
職員数 147人
所在地 神戸市灘区篠原伯母野山町1丁目2-1
主な事業活動 教育等
ホームページ 神戸松蔭女子学院大学のホームページ
掲載日 平成23年10月19日

神戸松蔭女子学院大学 企画課長 東出 正夫さんにお話を伺いました。

大学として社会貢献活動に取り組む姿勢について教えて下さい。

                                   インタビューの様子               

 本来、大学の使命とは、各大学による教育理念に基づいた学生を育て、社会に貢献できる人材を送り出すことにあると思います。
 本学はキリスト教の教えを教育理念とし設立され、運営されているミッションスクールです。聖公会キリスト教主義に基づく教育目的を掲げた女子教育を中心に、あらゆる分野で活躍できる専門性を身に付けた女性を育成することが一番の社会貢献だと考えています。
 具体的な社会貢献活動では、大学本来の知的財産を地域の皆様に還元するために以前から公開講座を開催したり、それぞれの学科の特性を生かした様々な活動を行っています。また、キリスト教活動を行っている宗教センターを中心にチャペルを活用したコンサート等の活動を実施しています。

学科の特性に合わせた活動にはどのようなものがありますか?

            公開講座の様子             

 本学は当初、文学部のみ設置しておりました。当時から公開講座を行い、大学が有する知的財産を地域社会にお返ししていたのですが、その後人間科学部心理学科、生活学科、子ども発達学科、ファッションハウジングデザイン学科などを増設するにつれて、様々な形で地域に貢献できるようになりました。
 大学院文学研究科心理学専攻(修士課程)は、日本臨床心理士資格認定協会の第一種指定大学院に認定されておりますが、臨床心理士の資格を取得する際、学生は現場体験をする必要があります。そこで、体験が可能な施設として『神戸松蔭こころのケア・センター』を設置しました。
 センターでは臨床心理士の資格を持つスタッフの他、大学院・研修員、研修生が多数在籍し、相談業務に携わっています。様々な心の悩みや問題をお持ちの方を対象に、共に話し合う中で、よりよい解決の道を探すお手伝いをしています。
 この活動は地域の方を対象にしており、多くの方に訪れていただいています。また、現在スクールカウンセラーとして従事している先生たちの研修会等も本学で行うなど場所の提供も積極的に行っています。             神戸松蔭親子スペース<まつぼっくり>             
 子ども発達学科では、保育士を目指す学生たちの育成を目的に、実際に子どもと触れ合う機会を作っています。学内のコミュニティ・ルームで定期的に『神戸松蔭親子スペース<まつぼっくり>』を開催し、地域の子育て中の親子が安心して集え、親子がふれあえる場所として地域に開放しています。地域の方たちからは、親子のコミュニケーションの場だけでなく、子育て中の親同士や子ども同士のコミュニケーションの場としても好評をいただいています。
 学生たちにとっても地域の方々と一緒に遊びながら貴重な体験をさせて頂いています。また、専門スタッフもおりますので、楽しく子育てができるように本学からもサポートさせていただいています。

宗教センターでは、どのような活動をされているのですか。

            チャペルの外観             

 本学は聖公会キリスト教主義に基づく教育目的を掲げております。知識としてのキリスト教のみならず、チャペルでは礼拝や行事を行い、学生自身が参加し、体験できる場を提供しています。また、一般に開放されたオルガン・レクチャーコンサート、チャペルコンサート、クリスマス・チャリティーコンサートなどを開催しています。その他、チャプレン(大学に派遣された牧師)の監修のもと、ボランティア活動として、学生グループが中心となり、チャペルでコンサートが行われる週末には学生ボランティアカフェを営業し、売上げを寄附する活動や、また、学内の礼拝のみならず、児童福祉施設や高齢者施設などを慰問する活動も行っています。
 また、チャペルでは、本学の卒業生、関係者を対象とした結婚式を行っております。今までに950組以上のカップルが本学のチャペルから結婚生活をスタートされました。挙式される方々には、教育機関のチャペルで行われる結婚式であり、本学学生がスタッフとして挙式のお手伝いをさせていただくことをご理解していただいた上で、式場の準備、新郎・新婦のサポート、ご来賓の方々の案内をする「ブライダル・キャプテン」、2人の門出をお祝いする歌を歌い、式の中で聖歌をリードする「ブライダル・クワイア」の2つの役割を学生グループが務め、心を込めて結婚式を円滑に行うためのお手伝いをしています。

東日本大震災で被災された方を招いて挙式を行われるそうですね。

            結婚式当日の様子             

 今までは、学内のチャペルでは卒業生しか挙式することができませんでした。しかし、地域のために大学を開放し、より多くの人にキャンパスを訪れ、活用して欲しいという思いから、平成21年に初めて学外の方で神戸に思い出のある方を公募し挙式を行いました。その際、ファッションハウジングデザイン学科の学生がウェディングドレスを作成するだけでなく、その他挙式に関わる一切を学生の手で作り上げました。
 平成22年には行われなかったのですが、学生からの強い要望があり、平成23年は実施することになりました。実施決定後、東日本大震災が発生し、少しでも被災者を勇気づけたいと神戸に思い入れがある被災者の方を招こうということになりました。この企画はマスコミにも取り上げていただき、2組の被災されたカップルの応募がありました。学生と教職員で協議し、福島県在住の佐久間さんカップルに決定しました。
 挙式は、みんなに祝っていただこうと、本学のオープンキャンパスの日である平成23年9月19日に行う予定です(取材日:平成23年8月23日)。
 8月中旬には、打合せのために神戸を訪れていただきました。ドレスの採寸、ヘアメイク、結婚式のリハーサル、結婚式後のお披露目演出等の打合せを行い、その後学生たちと食事や神戸観光を楽しんでもらいました。現在、お二人は福島県が借り上げた被災者用のアパートで暮らしていらっしゃいます。震災から復興した神戸の地で将来への一歩を踏み出すお手伝いができればと思っています。

その他にも東日本大震災の支援活動をされていますか。


 その他の支援活動としては大学で義援金を集めて送り、宗教センターでは日本聖公会との連携で被災地での報告会を行っています。報告会は地震が発生した3月11日以降、毎月11日前後にチャペルでお祈りを行い、現地で活動されている牧師やボランティア学生などの活動報告を聞き、絶えず被災地とのつながりを絶やさないためのイベントを行っています。
 また、兵庫県からの要請で被災者の方に提供できる住居を2戸準備、日本私立大学協会からの要請で被災学生を受け入れる学生寮を5室準備し、本学で科目履修をすると取得単位として認められる制度を立ち上げました。
 結果的に、利用はありませんでしたが、今後も被災学生が少しでも早く勉学に復帰できるようお手伝いをしたいと考えております。

地域とも連携して活動されているようですね。


 現在、キャンパスを置く神戸市灘区では、様々なイベントが開催されており、本学も色々な形で参加しています。
 灘区にはHAT神戸~阪神岩屋駅・JR灘駅・阪急王子公園周辺~摩耶ケーブルまで、文化・教育・スポーツ施設が集積する“灘文化軸”と呼ばれる地域があり、地域や学校、行政機関が協働して芸術祭を行っています。平成15年から開催されており、<文化>をテーマに開催された平成19年には本学の文学部の先生が講演会や作文教室を行いました。
 また、文化軸に位置する地域の名産(お茶、珈琲、日本酒)を使った新銘菓を作り、ミニコンサートや落語、地域の昔の話を聴きながら試食してもらうイベントでは、本学の社会調査を専攻する学生がイベント評価のアンケートの作成・分析に協力しました。
 他にも、但馬地域の特産物である絹織物の「但馬ちりめん」を使ったウェディングドレスを企業と協働で作成する話をいただき、本学のファッションハウジングデザイン学科が協力し、作成しました。
 お声掛けいただき、学生が学外で活動することで大学としても学生が社会に出ていく機会になりますので、とてもありがたいことです。また、地域の方々と一緒になって地域貢献できることは学生にとっても、大変やりがいのある活動となっています。             

これから社会貢献に取り組もうとする企業への一言をお願いします。

           

 私どもは、教育機関ですので、企業の皆様とは社会貢献に取り組む状況は違うと思います。企業の社会貢献は、本当に厳しい時世の中活動されており、大変尊敬しております。しかし、地域の方々と一緒になって活動して行くのは、企業も大学も一緒かもしれません。
 地域の方に声をかけていただき、地域の方と一緒になって何かを活動をしたり、作り上げていけることは、大変ありがたいことで幸せなことですし、とても大事だと思います。

本日はありがとうございました。

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