すごいすと取材記

あこうぱん代表取締役鈴木誠 さん(44) 兵庫県

ギャラリーを見る

三代目として

あこうぱんの母体は、祖父が創業した播州製菓株式会社。鈴木さんは三代目にあたる。

しかし、両親はパンの製造販売という厳しい家業を息子に継がせるつもりはなかったという。鈴木さん自身も、12歳のとき岡山県にある中高一貫の進学校に進み、卒業後はふるさとを遠く離れて自由を謳歌したいと、北海道の大学に進んだ。

「大学時代は本当に遊び回っていました。結局、大学には8年いました」

大学5年目のある日、鈴木さんはアルバイト先で一人の女性に出会う。後に妻となる美都(みやこ)さんだ。この出会いが鈴木さんのその後を決定づけることになる。

パンが大好きという彼女の気を引きたい一心から、自分でパンを作ろうと思い立った鈴木さんは、ある日、近くのパン屋に飛び込んだ。単に作り方を覚えたいだけのことで、パン職人になる修行のつもりではなかったが、子供の頃からずっと身近にあったあの匂いと熱に包まれた瞬間、背筋がゾクッとした。

「やはり蛙の子は蛙なんでしょうか。結局、遠い北海道でパン作りに目覚めました」

修行中の平成8年1月に美都さんと結婚。ふるさとに帰ってきたのは、赤穂を離れた18年後の平成13年4月。30歳になっていた。そして、その年の6月、鈴木さんはあこうぱんの営業を開始した。

出会った当時の鈴木さんご夫妻

平成4年。北海道のアルバイト先で出会った頃の鈴木さんと美都さん

1 2 3 4 5 6 7