すごいすと取材記

有限会社ウッズ能口秀一 さん(53) 兵庫県丹波市

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森林づくりは、地域づくり

平成29年度「第13回木の建築大賞」を受賞した、香美町立村岡小学校・村岡幼稚園の木造改築。設計から施工まで、地域材の流通をトータルに調整する木材コーディネーターの役割が評価された一方で、建築という体験を通し、地域が主体となって地域づくりに取り組むモデルケースになった。

 

平成29年度「第13回木の建築大賞」を受賞した、香美町立村岡小学校・村岡幼稚園の木造改築
<平成29年度「第13回木の建築大賞」を受賞した、香美町立村岡小学校・村岡幼稚園の木造改築>

 

平成29年度「第13回木の建築大賞」を受賞した、香美町立村岡小学校・村岡幼稚園の木造改築
<平成29年度「第13回木の建築大賞」を受賞した、香美町立村岡小学校・村岡幼稚園の木造改築>

 

「地域の木を使うことの意味を、皆さんに考えていただくきっかけが作れたと思います。」
能口さんはこうした地域づくりの調整役を各地域で担っている。例えば愛知県の取り組みは、6次化産業として山主たち自らが製品を作って売る仕組みづくり。自分たちの山の木が、どれくらいの価値があるのかを考える「山の棚おろし」と名付けた作業にはじまり、製材から製品化、販売先の開拓、組織づくりが進んでいる。
「ワークショップの中で木の値段や経費を計算すると、周りの人たちの役割や流通の仕組みがわかり、山主にも利益をちゃんと残すべきだという話し合いができるようになるんです。」
山主たちが「やってみよう」と思える心の変化が、もっと波及していけばいいと語る能口さん。
「山の価値がわからないままでは、次の世代に渡しようがありません。地域の山を管理できる仕組みができれば、地域の人が関わっていけます。すると『次にこんなことをしたいね』と前向きな話が出てくるでしょう。木材利用だけじゃなくていいんです。それが、地域を活性化させるきっかけになると思っています。」
その入口として能口さんが取り組むのは、NPO法人丹波グリーンパートナーの「丹波市木の駅プロジェクト」支援。生まれて初めてチェーンソーを手にした人が、木を切って自分の家の燃料を作れるようになっていく。

 

NPO法人丹波グリーンパートナーによる薪づくり
<NPO法人丹波グリーンパートナーによる薪づくり>

 

「山を所有していても、実際に山に入ったことのない人が増えています。まずは山を体験できる場を作る必要があると思いました。体験したことで考え方も変わっていきます。森に目を向けて活動する人が増えることが、活性化へのいちばんの近道でしょう。」
そしてもうひとつの目標は、製材を学べる場所をつくることだ。

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