すごいすと取材記

子どもの遊び場を考える会赤とんぼ代表森正枝 さん(59) 兵庫県

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わがまちで、プレーパークを!

岡山市庭瀬出身の森さん。農家に生まれ、子ども時代は兄に教えられた「どぶをかき回して、発生したメタンガスにマッチで火をつける」といった豪快な遊びが大好きな活発な女の子だった。

そんな森さんの子育ては、優秀な子を育てねばならないとのプレッシャーもあって、絵本を読む、自然と触れ合うといった情操教育に熱を入れる一方、いわゆる教育ママでもあった。

ある日、わが子にチック症の症状がみられ、授業が中断するほどだったことが学校から知らされる。

衝撃を受けた森さんは、そこから改めて子どもの心と成長、そして自分が母親として自分の子どもに何を求めどのように対峙してきたかを、考えるようになる。著名な臨床心理学者の著書を読み、「追っかけと言えるぐらい」講演会や勉強会に参加した。

森さんと子どもたち

そんな中思い出したのが、一度だけ自分の子どもを夏休みのキャンプイベントでつれていった、大阪自然教室の存在だった。

「キャンプの後、参加した子どもたちがそれぞれ感想文を書くの。他の子が、学校で習うような時系列に並んだ文章ではなく、いきいきと感動的な情景が思い浮かべられるような文章を書いていたことを思い出して」。

以前参加していた時の自分は、子どもの作文にダメ出しをするような母親だったという森さん。今度こそ、その自由さを思いっきり味わってほしいと、再度大阪自然教室に通い始める。野山を駆け廻りどろだらけになって遊ぶ子どもたち、心も身体も遊びきった満足感に満たされた寝顔を見るにつけ、いつしか子どもとその可能性を伸ばし育てることができるこの活動が、龍野にもあればと考えるようになった。

ただし「龍野というのは結構閉鎖的なところもあって、人が何をやっているのか、傍から誰かが見ていて噂をするようなこともあるのね」だから、地域では目立つようなことはしないでおこうと考えていた森さん。

自身がプレーパークを開催するなどとは考えもせず、地域では婦人会などで一住民としての務めを粛々と果たしていた。

しかし子どもと真摯に向き合うことは、一方で母親である自分自身を考えなおす契機ともなる。

森さんは「良い子を育てられることが良い母であり、女性としてあるべき姿である」という理想像に囚われ、それが生きにくさとなっていることに気づく。「子どもにあるがままのあなたでいいというなら、私も自分の人生を私の足で歩もうとふっきれた」

その当時、婦人会では子育て支援活動に関わっていた森さんは、もっと自分がやりたいことをしようと、プレーパークの立ち上げを決意。

そして平成17年、婦人会で一緒に活動していた仲間たちを口説き、子どもの遊び場を考える会赤とんぼを結成する。

「子どものことと、飲み会が好きな普通の主婦だと思ってたのに。ここまで大きなことをつくり上げるなんて」と久々に帰郷した息子は驚く。

「人にどう言われても構わないと思えた。きっとそこが私が居直った瞬間だったのよね」と笑って話した。

森さんとボランティアリーダーのみなさん

森さんとボランティアリーダーのみなさん、氷の山でハイポーズ

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兵庫県 県民生活課 神戸市中央区下山手通5丁目10番1号 電話 078-341-7711(代表)