すごいすと取材記

ガレリア アーツ&ティー井上美佳 さん(60) 兵庫県たつの市

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龍野のまちにしかできない「まちづくり」を

「もともと、ガレリアへ来た人に古いまちを案内したり、こんないいところが残っているよと教えてあげたかっただけなんですから。」
それでも井上さんは、まちの変化を感じているという。
「イベントが始まってから新しい店が増えました。平成27年には龍野城下町マップ作成グループで『龍野レトロマップ』というまち歩きマップを作成したんですが、28年には英語版、29年にはドイツ語版の作成にまで広がりました。その後、たつの市観光プロモーション事業として引き継がれ、フランス語版や韓国語版も計画中です。このようにイベントを通していろいろな人や店、グループがうまく連携し合い、まちが元気になっているのを感じます。」

 

日本語版の他にドイツ語版まで広がりを見せている『龍野レトロマップ』

 

そんな井上さんには、深く印象に残っている出来事がある。ガレリアでの初めての作家展に、版画家・岩田健三郎氏の展覧会を企画した時のことだ。
「開始3日前になっても作品が完成していないんです。すると岩田さんは『ここガレリアの窓から見える対岸の風景絵巻が、少しずつ完成していく過程を見ていただきます』とポスターを描き始めたんです。」
「ここにはどんな鳥がいるかな?」「そこはどんな花が咲いている?」と、来店者たちを巻き込みながら描く岩田さん。展覧会は好評のうちに会期を終えた。
「あぁ、これでいいんだ。店に来られた人に参加してもらい、ガレリアにしかできないことを一緒につくりあげていけばいいんだって思いました。」
岩田さんの展覧会を通して見つけたガレリアの方向性――この場所でしかできないこと、来訪客と一緒につくること――は、城下町という文化財を活かした龍野にしかできないまちづくりにも通じている。
「たまたまお店に来たお客さんを、イベントスタッフにスカウトしたり(笑)。作家の松谷武判さんとの繋がりも、西宮の商店会の方たちとお茶を飲みに寄られた時に『絵を描かれるんですか?』って、声をかけたのがきっかけでした。オータムフェスティバルも、遊びに来た人が翌年は出店者になったりするんです。」
「みんなで一緒に楽しんでいるだけ」と言う井上さんだが、ガレリアを始めてからずっと感じている想いがある。

 

来店されたお客さん同士が自然とつながって行く

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兵庫県 県民生活課 神戸市中央区下山手通5丁目10番1号 電話 078-341-7711(代表)