すごいすと取材記

ガレリア アーツ&ティー井上美佳 さん(60) 兵庫県たつの市

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レトロな城下町をお客様に案内したい

「喫茶店をしようと思っていたわけじゃないんですよ。この建物と景色を手に入れた、さあ次はどうしようという感じでした。」という井上さん。
「高校で家庭科を教えていた頃、調理実習をすると生徒たちとの距離が近くなったことを思い出しました。昔から絵画が好きだったので、絵を見た後やコンサート前にお茶を飲んでもらえる、ギャラリーカフェを始めることにしたんです。しかもここは靴を脱いであがる建物なので、知人の家に遊びにきたような感覚で、みんなにリラックスしてもらえたらいいなと思って。」
実は井上さん自身は、絵画や音楽に決して造詣が深いわけではなかった。
「この店を始めてから知識を積み重ねたことばかりです。お客さんの会話がヒントになったり、『こんな展示ができるな』とか『ワークショップをしよう』など作家さんたち自身に浮かぶアイデアが、コラボレーションによる展覧会や様々なジャンルのコンサートへと広がり繋がっていきました。」
今でこそゆったりとしたペースで運営しているギャラリーだが、オープンから10年を過ぎるまでは、月4回もの作品展と500回以上のライブを開いてきた井上さん。こうしてガレリア アーツ&ティーは、昔の面影が残るまちのシンボリック的な存在として、大阪や神戸からもお客様がやって来る人気の空間になっていった。
「店の前にかかる龍野橋を渡った旧城下町には、子どもの頃によく遊んだ路地が今も残っています。そんな龍野のまちをガレリアに来たお客さんやライブで泊まった人に、案内したいと思ったんです。ちょうど、紅葉の頃、コンサートやワークショップなどのイベントを通じて、まちおこしに取り組もうというグループがたくさん活動し始めた頃でした。そんな催しのチラシを集めて紹介しようとするんですが、開催日や時間が重なっていて残念で……。そこで主催者たちで情報を共有し、マップをつくることにしました。」
この井上さんのアイデアが、まちをあげてのイベントに繋がっていくことになる。

 

毎月第1土曜日に開催している「ジャズセッション」は2019年3月で10周年を迎えた

 

ギャラリーが併設されたノスタルジックな空気が流れる店内で、リラックスした時間を過ごすことができる

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