2 法人設立の要件

[ 活動目的に関すること ]

(1)特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること(法第2条第2項)。
 特定非営利活動とは、次に掲げる17項目に該当する活動であって、かつ、不特定かつ多数の利益(*)の増進に寄与することを目的とする活動です。

1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2. 社会教育の推進を図る活動
3. まちづくりの推進を図る活動
4. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
5. 環境の保全を図る活動
6. 災害救援活動
7. 地域安全活動
8. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
9. 国際協力の活動
10. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
11. 子どもの健全育成を図る活動
12. 情報化社会の発展を図る活動
13. 科学技術の振興を図る活動
14. 経済活動の活性化を図る活動
15. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
16. 消費者の保護を図る活動
17.

前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

    不特定かつ多数の利益とは
社会全体の利益を意味するものであり、特定の個人や団体の利益(私益)を目的とするものでないことはもとより、構成員相互の利益(共益)を目的とする活動ではないことをいいます。いわゆる「公益」という法律用語と同義のものです。

(2)営利を目的としないこと(法第2条第2項第1号)。
  活動により得た収益を構成員(理事や社員)に分配することはできません。次年度の活動のために繰り越すことになります。また、財産を構成員に還元することはできず、法人を解散する際の残余財産の帰属先は、国・地方公共団体又は定款で定める特定非営利活動法人・公益社団法人・公益財団法人などに限定されています。
  なお、法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、特定非営利活動以外の事業(以下「その他の事業」という。)を行うことができます。その他の事業で収益を生じた場合は、その収益を特定非営利活動事業のために使用しなければなりません。また、その他の事業に関する会計を特定非営利活動に係る会計から区分しなければなりません。

(3)宗教活動を主たる目的としないこと(法第2条第2項第2号イ)。
  「宗教活動」とは、宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することをいいます。

(4)政治上の主義の推進・支持・反対を主たる目的としないこと(法第2条第2項第2号ロ)。
 「政治上の主義」とは、政治によって実現しようとする基本的、恒常的、一般的な原理や原則のことをいいます。

(5)特定の公職の候補者、公職者又は政党の推薦・支持・反対を目的としないこと(法第2条第2項第2号ハ)。
  「特定の公職」とは、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員及び首長の職をいいます。

[組織等に関すること]

(1)社員が10人以上であること(法第12条第1項第4号)。
  「社員」とは、法人の構成員であり、法人の最高意思決定機関である総会において議決権を持ち、法人の意思を決定します。一般的には正会員 に当たるものです。社員は個人又は法人、人格のない社団(いわゆる任意団体)であり、国籍、住所地等の制限はありません。会社に勤務する人(会社員)という意味ではありません。

(2)社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと(法第2条第2項第1号イ)。
  社員の加入・脱退の自由を保障するための要件であり、法人の設立趣旨や活動目的に賛同する個人・法人等の入会を妨げるような条件を設定しないことをいいます。

(3)役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること(法第2条第2項第1号ロ)。
 報酬とは、役員としての活動に対する報酬であり、法人の職員として給与を得ている場合は、この報酬には当たりません。

(4)暴力団でないこと、暴力団又は暴力団の構成員等の統制の下にある団体でないこと(法第12条第1項第3号)。
  「暴力団の構成員等」とは、暴力団の構成員(暴力団の構成団体の構成員を含む。)若しくは暴力団の構成員でなくなった日から5年を経過しない者をいいます。

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