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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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愛されるお菓子作りを通して地域に還元
~先代の想いを引き継いで~

        

企業資源の寄付

自主プログラム

社会的商品・サービス       

事業者名 神戸洋藝菓子ボックサン(有限会社ボック)
代表者名 代表取締役 福原 敏晃
設立 昭和41年12月7日
所在地 本店:神戸市須磨区堀池町2-1-15
主な事業活動 菓子の製造および販売
ホームページ https://www.bocksun.com/
神戸洋藝菓子ボックサンのページへ
掲載日 平成28年1月8日

神戸洋藝菓子ボックサン 代表取締役 福原 敏晃 さんに
お話を伺いました。

11月23日、寄附つきクッキー“有馬の塩クッキー”の販売を開始されましたね。まずはその想いについて教えてください。

                         

 ボックサンは昨年、創業51周年を迎えました。昭和10年に先代・善之助が菓子職人を志し、昭和41年須磨で創業して以来、ここ神戸の地において、美味しさに優しさとぬくもりを織り交ぜた “神戸洋藝菓子”づくりに邁進しています。
 そして、お菓子づくりを通していただいたご縁が、今回のような寄附つきクッキーの製造・販売につながっているのですが、原点は両親の想いや行動にあると思います。
 
 創業者である私の父は、クリスマス前になると毎年クリスマスケーキをどこかに届けていましたが、どこに持って行っているのかなど、まだ子どもだった私はその理由や経緯をわからずにいました。
 その後、私がこの業界に入った時、父はその役割を私に託しました。そして、父が毎年須磨区にある児童福祉施設にクリスマスケーキを匿名で届けていたことを知りました。
 また、数年前、ある新聞の投稿欄に次のような記事を見つけました。『須磨区の児童福祉施設で育った私(40代の男性)は、クリスマスになると、どなたかが毎年届けてくれるクリスマスケーキがとても嬉しく、クリスマスの時期になるといつも想い出すのです』、といった内容でした。父の届けていたクリスマスケーキの事だと判り、大人になった今も男性の心には子どもの頃の出来事が温かく記憶に残っており、父の心温まる行動に私は感動したものです。
 私も父の想いを継承し、児童福祉施設にクリスマスケーキをお届けして喜んでいただいています。そして、大好きな神戸の街に洋菓子作りを通してできることをしていきたいと思ってきました。
 そのようななかで、阪神・淡路大震災発災当時から、被災地のマザーテレサと言われるほど震災被災者の支援に不眠不休で活動し、昨年亡くなられた黒田裕子さんの活動には心打たれるものがあり、この方が中心となり、ここ神戸の地においてさまざまな市民活動を行なってこられた「認定NPO法人しみん基金・KOBE」の活動を応援したいと思いました。
 そして、今回の寄附つきクッキー“有馬の塩クッキー”の製造・販売に至ったのです。

“有馬の塩クッキー”にはさまざまなこだわりが見られますね。

                         

 数年前に有馬温泉を訪れた際、金泉のお湯のまわりにある白い塊を舐めてみたところ、しょっぱく、これはお菓子作りに活かせるのではないかと思ったのが、今回のお菓子作りのアイデアのヒントになりました。
 源泉を2リットル分けてもらい、お店に持ち帰って、塩づくりに試行錯誤していたところ、神戸市の協力により、芸術祭『神戸ビエンナーレ2015』のタイアップ商品とすることで有馬の金泉塩を分けていただくことができました。
 当初考えたチーズ菓子の出来に納得できず予定から1年遅れましたが、有馬の塩のほか、小麦の一部や醤油に県産品を用いるなど、5年、10年と愛されるものをとこだわって完成した“ごましょうゆクッキー”と“もち米クッキー”。これら2種類の味を温かみのあるイラストを施して一箱に詰めました。
 有馬のお土産として有馬温泉の旅館・店舗に置いていただくほか、兵庫のお土産として大阪駅のお土産コーナーでの販売も決まり、また、新聞やテレビにも取り上げていただきました。
 1年1万箱の当初の目標を倍に増やし、2万箱販売する予定です。


「認定NPO法人しみん基金・KOBE」への寄附の仕組みと使い途はどのようになっていますか。

                         

 “有馬の塩クッキー”は一箱10枚入りで1,080円で販売しています。私どもは、この売り上げの3%を寄附することとしており、その後「認定NPO法人しみん基金・KOBE」による公開審査で決定した団体に助成することによって、市民活動を支援する仕組みになっています。
 “有馬の塩クッキー”が長く愛されるとともに、売る側も買う側も社会貢献できるこの仕組みが普及すれば良いなと思います。

これまでもユニークな企画により、さまざまな支援をしてこられましたね。

 東日本大震災の被災地支援として、日本旅行のカリスマ添乗員として知られる平田進也さんとタイアップしたツアーを催行しました。被災地に赴き、その地の食材や特産品を販売しているお店をまわり、お買い物をすることで被災地を支援しよう、というのがもともとの企画だったのですが、ツアー参加者とともにボックサンからケーキ職人3人が同行し、現地でケーキを作って被災された方々に振る舞うというイベントを盛り込みました。
 阪神・淡路大震災で被災した我々として、被災しているからこその想いを届けたい、なにか出来ることはないか、との思いがこういったかたちで実現したことは、従業員にとっても良い経験になりました。
 また、“有馬の塩クッキー”に先立ち、平成23年と平成24年に神戸市立六甲アイランド高校の生徒からチャリティー企画の提案があり、オリジナルスイーツを考案して売上の一部を寄附したこともあります。平成23年には、平成22年1月の大地震で壊滅的な被害を受けたハイチへの支援として“まごころチョコレート”を、また翌年には、東日本大震災の被災地支援として“まごころチョコサブレ”を考案。震災を経験した神戸からなにか支援をしたい、という生徒の想いに触れ、全面協力することになりました。それぞれの被災地に収益の1割ずつを寄附し、生徒の想いをメッセージに込めて寄附金とともに被災地に送りました。

今後への思いをお聞かせください。

  先に述べた黒田裕子さんのほか、「認定NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会」のワクチン大使として世界の子どもにワクチンを贈る活動をしておられ、また阪神・淡路大震災の追悼のつどいで詩を朗読されるなど被災地支援活動にも積極的に活動しておられる竹下景子さんの活動にも心をうたれ、刺激を受けています。
 また、女性の8人に一人が乳がんになると言われる現代。私にも母や妻、娘や孫など、家族にも女性がたくさんいますので、決して人ごとでは無いと思っています。そのため、乳がん検診の受診促進と早期発見の大切さを伝えるピンクリボン運動を応援しようと、ボックサンでは“ハートのいちごショートケーキ”と“ハートのいちごクッキー”の2商品の売り上げの一部をこの活動の主体者である「認定NPO法人J.POSH日本乳がんピンクリボン運動」に寄附しています。
 私は両親やまわりの方々の活動に感銘を受け、できる範囲で活動してきたわけですが、こういったさまざまな活動に賛同してなにか活動したい、協力したいと思う人が一人でも増えれば、きっと地域はもっともっとよくなると思っています。
 『神戸マイスター』の称号のほか、『兵庫県技能顕功賞』『神戸市技能奨励賞』をいただくなど、応援してくださる神戸市や兵庫県に、私の洋菓子づくりを通して何らかのかたちで恩返しをしたい。両親から受け継いだ想いを次の世代へと引き継ぎ、これからも活動を継続していきます。

本日はありがとうございました。

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