東洋電機株式会社　取締役　生産システム部長　大塚　哲也　さん
　　　　　　　　　　　　 生産システム部　工務・情報課長　中道　哲　さん
　　　　　　　　　　　 　総務部　総務課　主査　田村　克則　さん
にお話を伺いました。

御社の事業概要についてお教えください

　　　　　　　 　　　　 　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　

　弊社は、人の暮らしに欠かせない電気を各家庭や事業所に引き込むための配電機器と、電車の「エンジン」にあたる制御装置や、運転士の操縦機器（制御器）などの車両用機器、また発電所で作った電気を安全に送電するために必要な変流器や変電所で使用する開閉機器などの電力用機器を製造しています。
　工場は、氷上町内に3カ所あり、本社/成松工場では車両用機器を、氷上工場では配電用機器、そして香良工場では電力用機器を製造しています。また、弊社従業員の約8割が地元丹波地域から通勤しているという点も特徴の一つです。

ＣＳＲ活動としては、どのような事業を実施しておられますか

　弊社で実施しているCSR活動の主なものとしては、「環境美化活動」と「甲賀の里 森づくり」のほか、環境に優しい「省エネ製品づくり」（ex.エネセーバ製造）などがあります。
　そのほか、夏季や冬季にはディジタル温度計を設置し１日４回温度を測定・記録することにより徹底した空調機温度管理を行うなど地道な省エネ活動や、毎週水曜日の定時退社日にはパソコンを開くとデスクトップに定時終業を知らせる通知が自動で立ち上がる活動も実施しています。

まず、環境美化活動について具体的な取り組みを教えてください

　毎年、環境月間である６月に、丹波市氷上町にあるさくら公園、本社裏山にある甲賀山、工場周辺の草刈り・清掃活動を10年前から実施しています。
　土地柄、農作業等で草刈り機の扱いに慣れている従業員が草刈り機を自ら持参し、全工場合同で取り組むこの活動には約240名の従業員が参加します。
　その後、弊社のさくら公園における環境美化活動が丹波新聞に掲載されたことにより、この取り組みに賛同した近隣の中兵庫信用金庫の方も加わり、合同で清掃活動を実施するようになり、ほかの会社からも希望があるなど、活動の輪が広がっています。
　さらに、新入社員教育の一貫としても社会に貢献する気持ちを養うことを目的に、草刈りや小石拾いなどの屋外清掃活動を例年実施しています。

環境美化活動のもう一つの取り組み“甲賀の里　森づくり”について教えてください

　平成23年6月、環境面での企業が果たす社会的責任の一つとして、本社の裏側にある甲賀山を地域住民とともに継続的に整備・保全するため、地元の成松連合区と丹波県民局、丹波市、そして弊社の4者で『甲賀の里 森づくり協定』を締結しました。
　丹波市に本社を置く地元企業として、初めての地元成松連合区との協定締結であり、地域住民や当社従業員が集う山となるよう、桜の植樹や除草作業等を行っています。
　具体的な活動内容は、桜の木の植樹や維持管理、旧登山道の復活整備であり、“甲賀の里 森づくり協議会”で検討されます。
　雑木伐採や中腹の笹草刈りなど、チェーンソー等を扱う専門性の要る作業には森林組合が中心となり、笹草の束結いや搬出、除草剤の散布には成松区連合区や弊社の従業員有志が参加するなど、互いができるかたちで参画しています。
　今後の活動としては、参道整備の一環として『探検ロード』区域の選定と基地づくりの計画のほか、昨年8月の丹波市豪雨災害による地滑り区域の大木の枝払い、落石防止策の設置を予定しています。

独自製品でのＣＳＲ活動について教えてください

　変圧器は、電源投入時に定格電流の十数倍の大きな電流である励磁突入電流が発生します。励磁突入電流は、瞬時電圧低下現象を発生させる場合もあります。この励磁突入電流を抑制するために開発されたものが弊社独自製品の『エネセーバ』です。この製品を活用することで電源電圧の不安定化や他の機器への影響を抑制することができます。
　変圧器の運転停止による省エネ活動（待機電力量削減）の支援機器として、また太陽光発電など再生可能エネルギ－の系統連系用機器として多数のご採用をいただいています。
　製品での省エネ活動推進・新エネルギ－進展への貢献も企業責任の一つと考えています。

その他の活動と今後の方向性について教えてください

　毎年夏には本社のある成松工場において、従業員の家族や近隣の方々を招いた夏まつりを開催します。夜店を出店したり、歌謡ショーや出し物を披露する舞台を設置し、抽選会を開催したりしています。25年近く続くこの行事は、従業員の家族だけでなく、地域の方々と交流できる良い機会となっています。
　また、従業員の多くは地元の消防団に属しています。地元で火災が発生した場合は、消火活動を優先できるよう、会社として配慮することは当然と理解しています。
　地域の中に企業があると思っていますので、今後も自社事業を根底におきながら継続したCSR活動に取り組みたいと思っています。

本日はありがとうございました。

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