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兵庫県内の社会貢献企業を紹介

多様な活動資源とノウハウを持つ「企業」の社会貢献活動を促進し、「ひょうごの地域づくり活動」の輪を一層広げていくため、県内企業による社会貢献活動の実践事例や県の支援・促進施策をご紹介します。

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~誰もが働く喜びを感じられる職場づくりのために~
障がい者就労・職業訓練受け入れ等、多彩な支援展開で社会貢献

自主プログラム

多様な雇用・働きやすい職場

事業者名 有限会社 柿原鶏卵販売
代表者名 代表取締役 柿原 孝司
設立 昭和31年4月1日
資本金 300万円
社員数 26名
所在地 兵庫県洲本市中川原町厚浜725-1
主な事業活動 鶏卵、鶏卵加工品卸、及び飲食業
ホームページ http://www.atsuhama.com/
(有)柿原鶏卵販売のページへ
掲載日 平成24年10月1日
(更新日:平成29年2月2日))

有限会社 柿原鶏卵販売 代表取締役 柿原 孝司さんにお話を伺いました。

社会貢献活動についてお聞かせください

                                      
            

 「誰もが人としての個性と特性を生かし、働く喜びを感じられる仕事や職場づくりをしたい」--
 その考えのもと、障がい者の就労や職業訓練実習の受け入れだけでなく、障がい者美術展の開催やセミナーでの講話など、様々な支援活動を展開しています。
 平成9年にひまわり作業所の皆さんが作ったクッキーを弊社のたこ焼き屋で委託販売を開始したのがきっかけです。
 その後、平成18年に地元の中学校から依頼を受け、発達障がい児の方の職場体験を受け入れました。この職場体験によって、私を含めた従業員全員が関わりを持ったことはとてもよかったと思います。また、同年に障がい者の就労受け入れを開始し、平成20年には障がい者就労を拡大するため、新たな事業所をオープンしました。現在は常用雇用5名、特別支援学校等からの訓練実習生は随時受け入れており、年間数ヶ月は常時、訓練生がいる状態となっています。
 業務内容としては、調理作業、加工作業、洗い場作業等を行います。訓練実習生には、訓練校とカリキュラムを組んで、ビジネスマナー等を実技、学習の両面から学習してもらっています。実習は1~3ヶ月と長期ですが、このような訓練を受けたことで、やりがいを感じ、自信につながっていると思います。
 また、障がい者と健常者が普段からグループを組み、体調の変化や仕事内容の確認を行い、些細な変化にも気付けるよう従業員全体で関わっていくように努めています。

“人財”育成ポイントはどのようなものですか

                         

 弊社では、知的障がい者の方が主に働いていますが、育成ポイントの1点目として、まずは、障がい者である前に1人の人間であるということです。社会に出て働く以上は、社会人としての責任があります。守らなければならないことがあると、彼らに知ってもらうことが大事なことであると考えています。次に、寄り添いから見守りへということです。寄り添いという支援の形は、支援される側のプライベートがほとんど無くなってしまいます。その状態から見守りという形の支援へと移行していくことが、本人のためにも必要であり、本当の自立につながると考えています。
 そして、支援される側からやがては支援する側になってほしい、ということが3点目です。ある時、私が訓練生に教えた際に、なかなか理解してもらえなかったことがありました。しかし、先輩の従業員が教えたら、すっと出来ました。彼らは、健常者とは全く違う受け取り方をします。つまずくポイントが分かるので、目線が違います。そして、そのような経験を通して、「教えることは大変なことだ」と学びながら、次の自分を育てています。
 最後に社会でも評価される社会人を目指して、彼らを育成しています。社会でも評価され、他社へ行っても働ける“人財”に育っていけばと考えています。

NPO法人についてお聞かせください

            作品展に出展した作品と従業員             

 私たちは、障がい者の方を支援する目的で、NPO法人ひょうご知的障がい者就労支援ネット「協生」を平成20年度に立ち上げました。
 このNPO法人が年に1回、淡路文化会館で障がい者の方が描かれた絵の作品展を開催しています。障がい者への理解を深めてもらうという目的で淡路県民局、淡路文化会館、あわじ特別支援学校と一緒に行っています。これは、事業所や作業所といった区分なしに絵を展示しています。
 彼らはとても感情が豊かで細やかであると、彼らの描いた絵を見て感じます。弊社が経営しているカフェにも、従業員の方が描かれた絵を展示していますが、細部までとても丁寧に描かれています。たとえば、バスに乗車しているお客さん一人一人であったり、タイルの一枚一枚であったりします。毎年12月上旬の障がい者週間にあわせて淡路文化会館で作品展を開催しています。
 また、各種講演会での講話等も行っています。時折、障がいのあるスタッフも講演に参加しています。そして、「あれだけ立派に話すなんてすごい」と褒めていただきました。彼らにとって、褒められ、認められることはとても大切であると感じています。

今後の展望をお聞かせください

 これからも安定的な収支と雇用の両立を目指していきたいと考えています。今後は、障がい者の職業訓練の機会を増やし、他の事業所への橋渡し的な役割を果たしていきたいです。ただ雇用者を増やすだけでなく、長く安定的に働ける環境づくりにも取り組んでいきます。しんどいけれど楽しいと感じていますし、他の社員の意欲向上にもつながります。障がいを持っている人にはまじめな方が多いと思います。彼らのまじめさや努力する姿勢は、従業員全体にも良い影響を与えてくれます。彼らは今まで支援されることが多かったと思いますが、ぜひ支援する側にも回っていってほしいと考えています。
 今後も様々な機関や団体と連携して動き、障がい者も健常者もみんなが安心して暮らせる社会を目指していきたいと考えています。

これから社会貢献活動をする企業に一言お願いします

            お店の前で集合する従業員             

 雇用率の達成だけで満足せず、雇用率を超えたところに、社会貢献があると考えています。自分の会社には関係ないではなく、社会全体として関係を持っていかなければならないと考えています。
 私達がしているのは、本当に小さな取り組みです。でも小さな会社だからこそできることもたくさんあります。おこがましいかもしれないですが、それを実践事例的に伝えていきたいと考えています。


本日はありがとうございました。

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