ネットワーク第122号 特集

    
    特集 魅力ある地域づくりに参画しよう


 地域づくりは、県民みんなが力を合わせることが大切です。
 兵庫県は、若い世代の地域づくりへの積極的な参加を促進するため、「ザ・わかもの座談会」をはじめ様々な支援を行っています。
 今回は、高校生・大学生・新社会人の皆さんが、「魅力ある地域づくりに参画しよう」をテーマに、地域活動は身近なもので、だれでもいつでも始められること、次代を担う若者が地域活動に取り組む意義等について、知事と語り合いました。
 

尼崎北高校、尼崎工業高校、市立尼崎高校の
茶道部の皆さんがお茶のお点前を披露
兵庫県茶道協会の岡田髣搦

岡田




知事
  今日のお菓子は一番日本では古い形のお菓子です。蒸し菓子、常用饅頭となっています。食べ方がありまして、後ろから割って食べるのが作法です。上からすると割れないんですが、後ろからだと2つでも4つでもきれいに割れて、あんこもこぼれません。皆さんに食べていただきたいと思い、今日ご用意しました。

 今日は「魅力ある地域づくり」に取り組んでいる高校生、大学生、フレッシュな社会人6名の皆さんに参加いただきました。仲間の皆さんが後ろにいらっしゃいますので、気楽に、今やっていることをお話ししていただいて、これからの地域づくりをどう進めていったらいいか、そのヒントを提供してもらいたいと思います。じゃあ、高校生からいこう。

 洲本高校3年 松下友香さん  篠山産業高校3年 田頭直樹さん

松下




知事

田頭



知事

田頭

知事

土倉


加地



 地元のケーブルテレビから一緒に放送活動をしようという声がかかり、私たち放送部の部員がリポーターとして、行事を紹介する活動をしています。
 テレビ局での放映と同時に校内でも流しています。これからもこういう活動をしていきたいと思っています。

 インターアクト部というのはどういう部ですか?

 ボランティアをする部活です。やすらぎ園という老人ホームがあるんです。そこに通わせてもらって、おじいさんやおばあさんとオセロや将棋や歌を歌うことなど、毎週一回活動しています。
 毎週来てくれて嬉しいと言ってもらえたり、夏祭りの時もありがとうと言ってもらえたりしています。

 オセロと将棋、負けてもらっているの?

 (笑い)おじいさん強いです。

 土倉君は、「ひょうご安全の日」の活動に参加してくれました。

 災害の時に、電気を使ってご飯がつくれないかということで、レシピを考えて、僕は振る舞っただけなんですけど、それに参加しました。

 今年の1・17に参加しました。普段は、災害の時にできた「FMわいわい」という、多文化共生の地域・まちづくりを目指すラジオ局でずっとボランティアをしてきまして、それをきっかけに災害の時も情報発信ということをずっとやってきていたので、それでこのレシピの普及ということにも参加させていただきました。

 兵庫県立大学3年 土倉将平さん  新社会人 加地祐子さん

橋詰






加地




知事

加地


 いろいろな犯罪被害に遭われた当事者の方を支援するボランティアであったり、加害者の立ち直りサポートとかのボランティアをまず始めたことから、地域に関わりあってきました。そういうところから、地域全体にも、より一層興味を持ち始めて、公務員になって働きたいと思うようになりました。全体的に地域のつながりという部分で、住みやすさであったり、安心・安全という部分が高まるような関わり合いから、いろんな部分に広がっていくように、自分の活動を仕事としていきたいと思っています。

 情報がない、届かないことが多かったんですね。「FMわいわい」は、その情報をいかに発信するかということでできたラジオ局です。情報がある・ないというのは大きな違い。
 1・17の時も、試食だけではなく、レシピもお配りしました。そういうことで、情報を地域の人に広めて行きたいなと思い参加しました。

 「FMわいわい」につながりをもったのはどうしてですか?

 大学の掲示板に貼ってあった「インターンボランティア募集」のポスターを見たことです。まちづくりとか多文化共生というのに興味があって、何かやれることがあるかなと思って、本当に軽い気持ちで始めました。

 新社会人 橋詰清一朗さん  佛教大学1年 大垣千代里さん

土倉




知事



大垣

知事

大垣



知事

大垣

田頭





知事




松下






知事
 僕は大学の先生に勧められて行ったのがきっかけです。参加してみて、いろんな世代の人としゃべるのがおもしろくて、同世代の人の考えがめちゃくちゃしっかりしていたので、自分もしっかりしないといけないなと思い、機会があれば呼んでくださいとお願いしました。2月の「ザ・わかもの座談会」も、今日もお願いして参加させてもらいました。

 経験のチャンスは巡り合いみたいなところがあるんですよね。うまく土倉君はキャッチしたわけだ。これからも頑張ってくださいね。
 大垣さんは?

 柏原高校の生徒会に所属していた時に、ペットボトルのキャップ集めに取り組みました。

 そういう運動があったんだね。

 発展途上国に送ったら、薬に交換できるというものでした。生徒会で企画して、全校生徒にペットボトルのキャップをくださいと呼びかけました。

 たくさん集まった?

 はい。111人の方々の命を救えるくらい集まりました。

 高校一年生の夏休みに小学生とキャンプをするボランティアに参加しました。そこでとても喜んでもらえて、ボランティアするのが楽しいと思ったので、インターアクト部に入りました。
 小学生といろいろ交流して、班長みたいなことをやりましたが、なかなか小学生は言うことを聞いてくれない。それで苦労しますけど、最後までみんなと、わいわいできて楽しくやっています。

 県でも、若者ゆうゆう広場とか、冒険広場とかをやっているんですよね。冒険広場では、ちょっときっかけを作ってあげると、子どもたちはどんなとこででも遊ぶ。だけどきっかけが難しい。
 これからも是非、お兄さん、お姉さん役として頑張ってくれるといいなぁ。
 松下さんの動機は?

 ケーブルテレビと共に活動するって話が出ましたが、そのきっかけとなったのが、11月9日の淡路ふれあいフェスティバルです。県内各地から集まった団体とお話をすることによって、地域の活動というのがすごく分かった。今まで地元に行って地域と関わりをもつことができなかった。その場にいて、取材をしたり、インタビューをしたりすることで、すごく関わりとかが大事だなって分かり、地域に発信したいなと思っているところに、地元のケーブルテレビの方から一緒に放送活動しませんかという声がかかりました。地域にどんどん発信して、地元にも出向いて、ふれあっていきたい。

 意外と地域のこと、知っているようで知らないことが多いんだよね。
 後ろの皆さんにも一言ずつ話してもらおう。

洲本高校放送部の皆さん 篠山産業高校3年 出口拡希さん
     新社会人 臼田聖枝さん
神戸学院大学1年 長久友紀さん

出口





知事


臼田



知事





長久


 田頭くんと一緒のインターアクト部で、春休みに篠山400年祭の町歩きのイベントにボランティアとして参加しました。篠山市内ですごく大きな窯を公開するという催しがあって、僕も篠山に住んでたんですけど、窯を知らなかった。すごく古くからある貴重なものが篠山のど真ん中にあるのを知らなかったから、そういうことをいろいろ知ることができて、インターアクト部に入って良かったと思います。

 ちょうど「会いたい兵庫がいます。」ディスティネーションキャンペーンをやっていますから、是非町歩きガイドなどにも挑戦してみてください。

 加地さんと同じで「FMわいわい」でボランティアをしてきました。音楽が好きだったので、ラジオ番組で音楽の選曲をしたりしています。今はラジオ局には行けていないのですが、また震災イベントには協力したいと思っています。

 来年は、1・17は15周年です。阪神・淡路大震災から15年もたつと、どうしても記憶とか経験が少しずつ忘れられてきます。あるいは、思っていても実行されないという傾向が強くなるんですよね。だから、経験したことや教訓を伝えて行こう。伝えるってことは学ぶこと、学んだら備える。15周年を迎えるにあたり、「伝える」、「備える」をテーマに様々な取り組みを展開していきますので、また協力してください。

 大垣さんと一緒で、柏原高校の生徒会活動でボランティアをしてきました。特に印象的だったのは、文化祭で別の生徒会役員がはばタンの着ぐるみを着て、校内を歩き巡って募金を集める活動をしたことです。皆さんの受けもよくて、楽しかったです。

知事と若者との語り合い

知事

松下


田頭


大垣



土倉



加地



橋詰


知事







一同
 これからの抱負・夢を聞かせてください。

 公務員の勉強をしているんですけど、兵庫県の魅力を知ってより目指したい気持ちが深くなって、頑張っていきたいと思っています。

 篠山が大好きなので、インターアクト部でもボランティアとして伝統文化にも参加させてもらっているので、どんどん盛り上げて行きたいと思っています。

 人前に出て、何かの役に立ちたいという思いで生徒会に入ったのですが、大学に入ってからもそういう気持ちがあって、大学でも実行委員会に入りたいと思っています。それに入りつつ、ボランティア活動も経験していきたいと思っています。

 神戸と明石の間にある明舞団地で、もう一回まちの活気を取り戻そうというプロジェクトを進めています。経済学部の学生の視点で、地域が再生するような、そういう活動をして、今後学生がプロジェクトに参加するモデルになったらいいなと思っています。

 伝えることで知ってもらう、学んでもらう。知ることによって実はそうなんだと気づいてもらう。そういう気づきがたくさん地域の中にできることによって、地域は変わっていくと思っているので、伝えることをどんどんやっていきたいと思っています。

 自分のライフワークとして、今まで関わりあった人たちと、これから出会う人たちと一緒に頑張って、地域づくり活動に取り組みたい。次世代に伝えられるような人材になりたいと思っています。

 こういう活動に取り組んでいる若者が兵庫県の中にどれくらいいるのかなと思っていました。今日、皆さんのお話を聞いて、きっと多くの方が活動を展開しているけれど、まだ知られてないだけだということが分かり、とっても安心しました。
 これからの時代は、変化が激しくて、今までの考え方とか、今までのパターン化された解決策では対応できないようなことがたくさん出てくると思います。そこを皆さんのフレッシュな視点、フレッシュな行動で突破していく。そうすると豊かな地域ができていくのではないでしょうか。これからも大いに頑張ってください。期待しています。今日はありがとうございました。

 ありがとうございました。